富士通がMASPHYCを新発売

独自MDを組み込んだ材料設計支援システム

 1992.05.22−富士通は、独自の分子動力学法ソフトウエアを組み込んだ材料設計支援システム「MASPHYC」(商品名)を開発、6月20日から発売する。とくに新素材分野では、原子や分子がどのように配列しているかなど、原子・分子の集合体としての性質が、材料全体の特性と大きなかかわりをもっている。「MASPHYC」はこれら凝縮系、固体・液体を対象としたシステムであり、たん白質など生体高分子や単一分子を扱うこれまでのシステムでは困難だった表面・界面のシミュレーションや、超微粒子や超薄膜のシミュレーションなども可能。新素材開発の上で材料特性を予測するために有効な機能性の数々を備えている。分子動力学法をベースとしたCCS(コンピューターケミストリーシステム)は、たん白分野を出発点とする米国製システムがほとんどであり、今回の「MASPHYC」が市場でどんな評価を受けるか注目されるところ。