米MSIがプラットホームをNTにシフト

ポリマーモデリング分野を皮切りに

 1999.03.03−米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)はこのほど、コンピューターケミストリーシステム(CCS)の中心的プラットホームをUNIXからウィンドウズNTを中心としたパソコンへ徐々にシフトさせる計画を明らかにした。ポリマーモデリング分野を皮切りに、2年後をめどに統合型材料設計支援システム「CERIUS2」の全部の機能をNT上で提供する予定。まずは、今年後半に非晶状態のポリマーのモデルビルダーをNT用として製品化する。

 同社は、CCSの大手ベンダー2社であるバイオシム社とMSI社が合併してできた企業で、旧バイオシム時代のポリマー分野のグラフィックス機能の一部がまだCERIUS2に統合されていない。そこで、旧システムの更新を促す意味もあり、ポリマー分野からNTへの移行を開始することにした。将来的には、無機・有機・金属化合物、高分子、結晶などの解析を含むCERIUS2のクライアント側の機能をすべてNTに移植していく。

 製品化の第1弾は非晶ポリマー用ビルダー「アモルファスセル」の予定だが、X線回折パターンなどの予測やメソスケールシミュレーションのツールなどの移植も進行。ターゲットマシンの一つはシリコングラフィックス社の新型NT機だが、従来のUNIX機よりもグラフィックスおよび計算処理ともに高速に動作するという。

 サーバー機能に関しては、パソコン用UNIXとして注目されているLinuxのサポートを計画しており、ユーザーがNTとLinuxを選択できるようにする。ただ、第一原理分子動力学や動的平均場法などの大規模計算・並列計算に関しては、PCサーバーでは荷が重いため、従来通りのUNIXマシンのサポートを継続していく。