CCS特集:モデリング/ケムインフォマティクス関連
ダイキン工業
2000.03.20−ダイキン工業は、米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)の総代理店などを務める菱化システムとの二人三脚でCCS事業を推進。国内におけるMSIビジネスは、以前は多数の代理店が並立して混乱もみられたが、昨年4月に販売チャンネルが菱化システムに一元化された。この1年間にわたってビジネスの再構築を協力して行ってきた結果、飛躍への足がかりが整ってきたという。
両社の関係は、菱化システムがCCS事業における技術部門、ダイキン工業が営業部門を担当する体制であり、一種のバーチャルカンパニーのようなスタイルになっている。ダイキン工業自身、国内のCCSベンダーとしては先駆け的存在で、一旦は縮小した時期もあったが、今回の菱化システムとの関係強化を図るなかで、あらためて社内のCCS事業ノウハウを結集し、専任の営業体制を確立させた。
MSIのライフサイエンス系システム群は、製薬会社向けに根強い需要があるほか、マテリアルサイエンス系のシステムも、電池材料や環境規制用触媒開発などホットな研究テーマでアプリケーションが広がってきたため、従来の素材メーカーだけでなく、自動車などの機械メーカー、電気メーカーにもユーザー層が拡大。1999年度の業績は好調を記録しそうだという。
今年以降は、マテリアル系でウィンドウズ版の新製品をはじめ、ライフ系でもゲノム関係や毒性予測、結晶多形などのツールなど、有力な製品が次々に導入される予定であり、期待はさらにふくらんでいる。
また、加ケミカルコンピューティンググループ(CCG)の「MOE」も統合的なCCS環境を実現するが、最近はハイスループットスクリーニング(HTS)のデータ処理などでユニークな数学的手法が注目され、導入事例が増えてきている。