日立製作所が米ダブルツイストと販売提携
ESTクラスタリングツール、アノテーション付きヒトゲノムDBなど提供
2000.06.15−日立製作所のライフサイエンス推進事業部は、米ダブルツイスト社(本社・カリフォルニア州、ジョン・コーチCEO)と提携し、ダブルツイストが開発・提供している遺伝子解析ソフトウエアとヒトゲノムデータベース(DB)製品を国内の製薬会社などを対象に販売する。遺伝子配列のクラスタリングとアラインメントのためのツールを利用し、これを有効活用するためのDB環境などのIT(情報技術)基盤構築サービスを提供していく。
今回の販売契約は大きく2つに分かれており、1つはクラスタリング&アラインメントツール(CAT)の最新バージョン4.0に関するオーストラリアを含むアジア太平洋地域における2000年の独占販売権で、2つ目はアノテーション付きヒトゲノムDB「Prophecy」(プロフェシー)の2000年9月までの非独占販売権。
ダブルツイストは1993年の設立で、昨年まではパンジアシステムズの名称で知られていたソフトベンダー。昨年12月にビジネスモデルをインターネットベースに全面転換し、バイオインフォマティクスのASP(アプリケーションサービスプロバイダー)として、ポータルサイト(http://www.doubletwist.com/)を運営している。
今回、日立が販売するCAT4.0は、膨大な遺伝子配列情報間の類似度を、高速かつ高精度に解析し、ゲノム情報と対比させながら共通配列を見い出す処理を行うソフト。体内の場所や細胞の分化状態などの発現情報を含む遺伝子断片EST(エクスプレスド・シーケンス・タグ)をはじめ、大量の配列情報を高速に処理する機能を持ち、ESTから遺伝子全体の配列を見い出したり、遺伝子のインデックスを作成したりするなど、創薬研究に狙いを合わせた基本的な情報処理機能を備えている。
最新版では、解析精度スコアの処理やXML形式のファイル出力、ビューワー内からのウェブコマンドの発行などの機能が強化された。ダブルツイストのポータルサイトと連携したサービスを受けることができる。
一方、Prophecyはアノテーション付きのヒトゲノムDBで、ダブルツイストが世界で初めて商用化したもの。日立ではこれに付随する表示ツールやデータマイニングツールも合わせて提供し、トータルソリューションを提案していく考えだ。