MDLが米アファレントシステムズを買収

医薬・化学研究ワークフローのフレームワークを強化

 2000.06.20−ケムインフォマティクスの最大手ベンダーである米MDLインフォメーションシステムズが、効率的な新薬開発のためのナレッジマネジメントと実験データ管理などのシステム製品を持つ米アファレントシステムズ(本社・カリフォルニア州、デビッド・チャップマン社長)を買収した。今後、両社の統合されたインフォマティクス技術によって、医薬・化学研究の統合的なワークフローソリューションを開発・強化していく。国内では、MDLの総代理店を務めるCTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)が以前からアファレント製品も扱っていたため、国内ユーザーには大きな影響はないとみられる。

 買収・合併は6月に完了され、当面は旧アファレントの社員や拠点はそのまま引き継がれる模様。今回の買収方法や金額は明らかにされていない。両社の製品の具体的な統合のスケジュールや今後の製品開発計画などはまだ固まっていないようだ。

 すでに、多くのMDLユーザーがアファレント製品を併用中であり、両社の合併は自然な流れとして受け入れられそう。国内ではとくにコンビナトリアルケミストリー分野で、コンビナトリアルライブラリーを設計・管理するMDLの「セントラルライブラリー」を補完する機能を持つ「アファレント・ストラクチャー」を利用するユーザーが多いという。MDL製品はプロダクトベースだが、アファレント製品は反応をベースにしたライブラリー設計が行える点で特徴がある。

 このほか、アファレントはナレッジマネジメントの新製品「アファレント・シンセティックノートブック」、化合物の超高速検索・登録システム「アファレント・クイックシルバー」、分析データ管理の「アファレント・アナリティカル」、自動合成機をコントロールする「アファレント・シンセシス」−といった製品群を持っている。

 今後、両社の製品の統合を進めることで、ソフトウエア、コンテンツ、サービスにまたがるフレームワークを、ワークフローソリューションに沿って強化していく計画だ。