TSTが米タイムロジックと提携関係を強化
3年間の独占販売権取得、出資も検討へ
2000.06.19−帝人システムテクノロジー(TST)は、バイオインフォマティクス専用コンピューターを開発している米タイムロジック社(本社・ネバダ州、ジム・リンダリン社長兼CEO)と日本における3年間の独占販売契約を結んだ。BLASTなどの高感度ホモロジー検索を超高速に実行する「DeCypher」(デサイファー)がその製品で、TSTは1997年に初めて販売権を取得し、特許庁など4サイトへの導入実績をあげているが、ここへ来てゲノム研究が加速し、バイオインフォマティクスに関する投資が増大していることから、あらためて両社の協調体制を強化することにしたもの。
DeCypherは、タイムロジックが開発した遺伝子解析専用のアクセラレーターボードを内蔵したコンピューターシステムで、心臓部には独自設計のFPGAチップを搭載している。ウィンドウズNTベースの制御部に、アクセラレーターボードを組み合わせてワンパッケージにしており、ネットワーク上で利用できる。
NTベースの1ノード当たり5枚のアクセラレーターを装備でき、ノード数はスケーラブルに増やすことが可能。現在、32ノードで動いている実績があり、あるユーザーでは1日に10万ジョブ以上を処理した実例もあるようだ。一般的なSMP(対象型多重処理)サーバーやPCサーバーに対して10−100倍のコストパフォーマンスを持つという。
とくにスミス&ウォーターマン法の高感度ホモロジー検索に最適化されており、BLAST2やヒドゥン・マルコフ法のプログラムを高速に実行する。また、HMM法やフレームサーチ、プロファイルサーチなどのデータ解析も行える。
今後TSTでは、国内市場の要求に沿ったシステムの研究開発を加速させるため、両社の関係をさらに密接にすることも考慮しており、タイムロジックへの出資なども検討されているようだ。