フォーバルクリエーティブがセキュリティ製品を拡充

指紋認証、ネットワーク不正使用検出など

 2000.06.08−ネットワークセキュリティ関係の専門ベンダーであるフォーバルクリエーティブ(本社・東京都渋谷区、早水潔社長)は、米アイデンティックス社および米イントルージョン・ドット・コム社と代理店契約を結び、セキュリティの新しいソリューションの販売を開始した。前者はバイオメトリックス技術を利用した指紋認証システム「BioLogon」、後者にはコンピューターの不正使用を検知する「ケーン・セキュア・エンタープライズ」などの製品がある。フォーバルクリエーティブでは、包括的なセキュリティ提案の一環として両社のシステムを採用していく。

 アイデンティックスのBioLogonは、指紋による簡単で確実な個人認証を実現するための製品群で、ウィンドウズ対応のサーバーおよびクライアントソフトウエア、指紋リーダーといったハードウエアから構成される。最近では、ネットワーク上の各種サービスにログオンするために1人平均で5−10個のパスワードを覚える必要があるともいわれるが、同システムは個々のユーザーにとっても、また管理コスト削減の点でも導入効果が大きい。

 指をリーダーに押し当てるだけという簡単さが特徴で、リーダーはUSB接続のマウス型の装置(2万8,000円)と、ノートパソコン対応のPCMCIAカード型(4万円)など何種類かが用意されている。指紋認証はマイニューシャベースのアルゴリズムを採用しており、個人の指紋から抽出した固有の特徴だけを抜き出してマッチングさせるので、データサイズも小さく高速に検索・認証が行える。

 サーバーソフトの価格は25万円からで、今後1年間に1億円の販売を見込んでいる。

 一方、イントルージョン・ドット・コムの製品であるケーン・セキュア・エンタープライズ(KSE)は、ネットワークのイベントログを解析し、不正使用や侵入の形跡を探り出す機能を持っている。ルーターやファイヤーウォールから収集したログは、1日当たり数GBにものぼることがあり、人間の目でチェックすることはほとんど不可能な場合も多い。KSEは、過去の外部侵入と類似のパターンを洗い出したり、特定のユーザーの振る舞いが普段と違っている(別人がなりすましている可能性がある)ことを検出したりして、大量のログのなかから怪しい点を管理者に報告してくれる。

 サーバー200台、ウィンドウズ系のクライアント1,500台からのイベントを解析でき、ソフト価格は370万円から。

 また、イントルージョン製品には、シスコのルーター、チェックポイントのファイヤーウォール1、ISSリアルセキュアモジュールなどのマルチベンダーシステムを統合してパッケージ化した「セキュアコム8000ファミリー」(85万円から)も用意されている。イントルージョン製品全体で今後1年間に5億円の販売を見込む。