加プラットフォームコンピューティングが日本法人

大規模クラスターシステムを効率的に運用・管理可能

 2000.05.10−多数のコンピューターを協調動作させるクラスタリングシステムのソリューションを提供する加プラットフォームコンピューティング社(本社・オンタリオ州、ソニアン・ゾウCEO)が日本法人を設立し、本格的に業務を開始した。5年前から代理店を務めているダイキン工業と協力して、さらに日本市場の開拓を進める。経営目標としては、2年目にあたる2001年7月期で8−10億円の売り上げを計画している。

 日本法人「プラットフォームコンピューティング」の所在地は東京都新宿区西新宿3−7−1、新宿パークタワー30階で、電話は03-5326-3465。社長は本社のゾウCEOが兼務しており、常駐スタッフ4名でスタートした。

 すでに、ダイキン工業を通して国内で350サイト/1万ライセンスの導入実績を築いているが、新しい日本法人を通して日本のユーザーの要望をダイレクトに開発などに反映させるほか、国内でも米国と同じ水準のサポート・サービスを提供できるようにしていく。

 計画では、2000年7月期に350万ドル、2001年7月期に800万ドル、2002年7月期に1,500万ドルほどの売り上げ規模を目指す。この時点で社員数は30名程度を予定しているという。

 同社の主力製品である「LSFスイート」は、企業内に散在するUNIXワークステーションやサーバーをクラスターシステムとして統合するためのツール群。並列化されたアプリケーションソフトの実行を管理・制御し、最適化するための機能を備えており、基本的にはトランザクション処理以外のほとんどのアプリケーションに対応できるという。ただ、実績としては研究開発分野の大規模科学技術計算などで使われる事例が多いようだ。

 LSFを使うと、社内のコンピューター資源を最大の効率で運用することが可能になる。ゾウCEOによると、一般的なコンピューターの使用率は10−20%に限定されるという。LSFによって、使用者が勤務時間外のために動いていないマシンや、時差の関係で夜間に当たる拠点のマシンなどを自動的に活用することができ、企業全体としての使用率をフルに高めることが可能。

 また、欧米では、高額なアプリケーションのライセンスを社内に課金してコストを管理する“社内ASP(アプリケーションサービスプロバイダー)”方式を導入するところが増えており、その目的でLSFスイートを利用するケースもある。

 現在、最大のクラスターとしては、米ロス・アラモス国立研究所で8,000プロセッサーでの稼働実績がある。負荷分散はメッセージパッシング方式で行われ、豊富なツールが揃っているので、もとのアプリケーションが並列化されたコードで書かれていれば、ほとんど手間をかけずにクラスターの運用が可能だという。