コンパックコンピュータがBLAST用GUIツール

ブラウザーでグラフィック操作、無償提供を開始

 2000.12.19−コンパックコンピュータは、国内のバイオインフォマティクス研究を支援するオリジナルソフトウエアの第2弾として、BLASTを用いたホモロジー検索結果をブラウザーで視覚化するツール「BioFinder」を開発、提供を開始した。ブラウザー上でBLASTのパラメーターを設定して起動させ、その検索結果を配列ごとのアライメントで確認することができる。また、独自のイメージ表示でアライメントを直感的に理解することも可能。BLAST自体は同社のアルファサーバー上で動作させることになっており、今回のソフトはバイオ研究機関向けソリューションの一環として提供していく。

 「BioFinder」は、来年1月から出荷予定の全文検索システム「BioSearcher」(10月に発表)に続くバイオインフォマティクス向けオリジナルソフトの第2弾で、ホームページ(http://www.compaq.co.jp/solution/hptc/genome/biofinder.html)のフォームに氏名、所属機関名、連絡先、eメールアドレスなどを入力するだけで、誰でも無償で入手することができる。ダウンロードではなく、ソフトウエアキットが郵送されてくる形になる。

 バイオインフォマティクス研究では、自分の研究対象の遺伝子配列を既知の遺伝子と比較対照させるホモロジー検索を行うことが普通で、そのためのツールとしてパブリックドメインのBLASTが定番となっている。ただ、UNIXのコマンド入力でプログラム起動や各種パラメーター設定を行わなければならないほか、検索結果も文字ベースでしかみられず、バッチタイプの処理もできないなど、使いにくい面もあった。

 BioFinderを使えば、すべての操作をインターネットブラウザーを使ってグラフィカルに行うことが可能。ブラウザーをフレームで分割し、入力した検索条件、ヒットした遺伝子配列の一覧、個々の遺伝子配列の詳細情報を同時に確認することができる。さらに、ヒットした遺伝子配列が検索条件の遺伝子配列と一致した部分を直感的なイメージ画像として表示するアライメント支援機能も持っている。

 BLASTを動作させるサーバーは、アルファサーバーの大規模クラスターを組むこともでき、バッチジョブとして検索をコントロールすることが可能。例えば、データベースが更新されるたびに決まった配列を自動的に検索させるなどの作業が容易になる。クラスターシステム用のソフトウエア環境としては、加プラットフォームコンピューティングの「LSF」に対応している。

 また、BioSearcherとの連携も可能。専門的な検索条件(リファレンス、著者、GenBankへの登録番号、フリーキーワードなど)を使って、まずBioSearcherでデータベースに対して全文検索をかけ、絞り込んだ配列データに対してBioFinderでホモロジー検索を行うといった使い方ができる。