パルティオソフトがソフトウエアの従量課金制を実現
開発キットを無償提供、ウェブサービスも開始へ
2001.03.13−パルティオソフト(本社・福島県郡山市、菅野和裕社長)は、使っただけの料金を払ってソフトウエアを使用する従量課金制でのソフトウエア販売を開始する。ユーザーはプリペイド方式で購入した“ソフトバッテリー”で許されただけソフトを利用でき、なくなったらインターネットを通じて新しい“ソフトバッテリー”を購入することで、引き続きソフトを使用することができる。同社では、既存のソフトウエアをこの方式に対応させる開発キットを無償で提供するとともに、バッテリーを販売するウェブサービスも合わせて開始する。
今回の仕組みは「U Charge」と名付けられている。ソフトウエアの特定の機能にそれぞれバッテリー消費情報を組み込んでおいて、ユーザーがそれを使用するたびにバッテリー量を減算する仕組み。ソフトベンダーは、特定機能の使用回数を制限する「回数券方式」、テレホンカードのような「度数管理方式」、あるいは使用時間を制限する「時間管理方式」のなかから課金方法を選択することができる。
ソフトバッテリーのダウンロードをコントロールするのはキヤノン販売が開発した「S.A.T」と呼ばれるシステムで、パルティオソフトではこの技術のライセンスを得て、ウェブサービスを展開する。このサービスを実施するために、インターネットデータセンター(IDC)事業者のエー・アンド・アイ システム(本社・東京都中央区、遠山巌社長)と提携した。このソフトバッテリー自体は特殊なファイルであり、フロッピーディスクに入れて持ち運ぶこともできる。
パルティオソフトは、まず4月から開発キットをソフトウエアベンダーに無償で供与する。そして、5月からソフトバッテリーをダウンロードするウェブサービスを開始する予定。また、自社製品の建築用CADソフト「PALTIO 4」をこの方式で販売していく。初期費用が低料金となるので、ユーザー層の拡大が期待できるという。
「U Charge」の対象となるアプリケーションソフトは当初は業務系のソフトを想定している。既存のアプリケーションを「U Charge」に対応させるためには、無償の開発キットを使って専用ライブラリーを組み込み、「U Charge」マネージャーとのインターフェース部分をコーディングするだけ。年内にはゲームソフトなども取り込み、ウェブ上でのサービスも拡大させていく計画である。