秋葉原に新IT拠点リナックスカフェが12月オープン
Linux技術者育成、ベンチャー支援、共同研究・共同受注など推進
2001.7.24−東京・秋葉原を中心にLinux関連の情報発信基地を目指す「リナックスカフェ」(本社・東京都渋谷区、林正博社長)が設立された。秋葉原の一角に拠点を移し、12月から本格的な活動を開始する。これは産官学の共同によるプロジェクトで、Linux技術者の育成を図り、Linuxベンチャーの起業を支援し、Linux関連のソリューションの共同受注、共同研究、共同開発を推進していく。海外ベンダーも参画する国際的な事業となっており、関係各方面の期待は大きい。
「リナックスカフェ」プロジェクトを提案したのは、IT(情報技術)ベンチャーなどのインキュベーション事業を手がけるビジネスカフェジャパン(平川克美社長)。千代田区に寄贈された下島ビル(東京都千代田区外神田3−13−2)の活用計画として、街づくり推進公社が実施した公募の結果選定された。建物全体にベンチャー企業を集めて育成・発展させるプロデューサー的役割を担う事業者に建物を一括貸与し、10年間の定期建物賃貸借契約をするというもの。都心における情報発信の中心地であり続けようとする千代田区の思惑とも合致した点がポイントだったようだ。
リナックスカフェの株主は、ビジネスカフェジャパン、サイバーテック、パイナップルカンパニー、ロジック・アンド・マジック、インラタクティブエックス、デジタルデザイン、レーザーファイブ、栄光、ネットワーク技術研究所、オージス総研、ミクプランニング、デイツーイーツー、サントリー、エーセントテクノロジー、シーズ−の15社。
具体的な業務内容は、Linux関連技術の基礎研究、オープンソース技術コンサルタントおよび技術者の育成と教育後の就職斡旋・起業支援、Linuxベンチャーの育成、Linuxサポート/検証センターの開設、一般ユーザーがLinuxを体験するためのインターネットカフェの運営−など。教育関係は法政大学の國井利泰教授(東京大学名誉教授)の協力により行われ、学生や一般向け、あるいは企業の技術者向けのコースが開設される予定。インターネットカフェは、カフェレストランチェーンのプロントが経営を行う。また、最初のインキュベーション対象として、ビットフラッシュジャパン(カナダ)とエーセントテクノロジージャパン(インド)、ロジック・アンド・マジック(日本)の3社が入居する。
今後、下島ビルの改装工事を行い、新しく「リナックスビル」として12月3日にオープンさせる予定。ビルは地上5階、地下1階建で、総床面積は1,200平方メートル。場所は、JR秋葉原駅から徒歩3分、中央通りの一本裏手に当たる。