サンとCTCが京都大学化学研究所に最上位サーバーを納入
ゲノムネット/ファイルサーバーとしてSun Fire 15Kを3台
2002.03.28−サン・マイクロシステムズと伊藤忠テクノサイエンス(CTC)は27日、京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンターに対し、ゲノム研究の中核となる「生命システム情報統合データベース」(KEGG)のネットワークサーバーとして、サンの最新最上位機「Sun Fire 15K」(サンンファイアー15K)を導入したと発表した。今回は全部で3台が設置され、世界中の研究者からのアクセスに応えてデータベース検索や機能解析などのサービスを提供することになる。
今回のSun Fire 15Kは、すべて72プロセッサー、144ギガバイトメモリー、15テラバイトのストレージを持つ構成で、2台がゲノムネットワーバーに、1台がゲノムファイルサーバーに割り当てられている。KEGGには世界中からの24時間/365日のアクセスに耐えられるミッションクリティカルな機能性・信頼性が求められており、こうした用途で高いスループットを維持するためにはSMP(対称型マルチプロセッシング)アーキテクチャーが最適であるという判断と、サンの基幹業務系システムへの導入実績などを考え合わせた結果、Sun Fire 15Kが高い評価を受けて採用された。
Sun Fire 15Kは、メインフレームクラスのRAS(信頼性・可用性・保守性)を実現した同社のサーバー製品群のフラッグシップモデル。銅配線技術を用いたUltraSPARC III Cu(900MHz)プロセッサーを最大106個まで搭載でき、SOLARIS8(ソラリス)環境で稼働する。単一システムを最大18区画に分割し、別々のアプリケーションを柔軟に動かすことができる動的物理分割機能、ハードウエアの完全二重化などの数々の先進的機能を備えている。
今回の案件はCTCと日本SGIが共同で納入したもので、保守サポートはCTCが担当するという。
なお、KEGGは京都大学化学研究所と東京大学医科学研究所の東西の2大ゲノム研究センターが中心になって構築している“ゲノムネット”の主要サービスの1つである。生命の働きは個々の遺伝子やたん白質に還元できるものではなく、本質的に多数の遺伝子あるいはたん白質の相互作用ネットワークによるシステムとして実現されているという仮説に基づき、そうした相互作用の全ぼうをデータベース化することを目指している。ゲノムネットには、このほかにDBGET/LinkDBデータベース統合検索サービス、BLAST/FASTAホモロジー検索を中心とした配列解析サービスなどがある。
また今回、同センターが蓄積した化合物情報を世界中の研究者向けに公開するための検索用データベースシステム「LIGAND」のためにサンのミッドフレームサーバー「Sun Fire 3800」も採用された。これには、MDLインフォメーションシステムズの統合化学情報管理システム「ISIS」が利用される。こちらの納入・サポートはCTCとCTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)が実施している。