2002年春季CCS特集:アダムネット
コンビケム/バーチャルスクリーニングで強力ツールを提供
2002.06.20−アダムネットは、米デイライト社のケムインフォマティクスシステムを中心にして、コンビナトリアルケミストリーやバーチャルスクリーニングなどの創薬支援システムで実績をあげている。データカートリッジ技術を利用してオラクルをベースにしたデータベースシステム構築を志向している
デイライト製品は、豊富なツールキットがそろっており、カスタマイズが行いやすいのが特徴。大手のパッケージでは手が回りにくいニッチ的なアプリケーション開発・運用に適しており、その意味で非常に根強いニーズがある。とくに、化学構造データを管理するために、独自の“SMILESフォーマット”を使用しているが、データハンドリングがオラクル上で軽くて速いのでユーザーからも好評だという。
一方、デイライト製品と連携して機能を強化するパッケージとして、英BCIのコンビケムツール群がある。とくにクラスタリングツールが強力で、100万以上の化合物を希望の数でクラスター分けすることが可能。計算時間のかかる階層型クラスタリングではないが、高速でかつ階層型と同様なクラスタリング機能を実現できる。大量のデータ処理が得意だ。
また、今後実績が出そうなのが米メタフォリックスのドッキングシミュレーションソフト「Dock It」。薬物分子がターゲットたん白質の活性ポケットにフィットするかどうかを高速にシミュレーションすることができる。やはり入力にはSMILESフォーマットを利用するので、デイライトで作成したコンビナトリアルライブラリーをバーチャルスクリーニングにかけることによって、新薬開発の時間と手間を大幅に削減することが可能。アダムネットでは、こうした統合システム構築の要望にも応じていく。