サン・マイクロシステムズが三極で初のライフサイエンス専門検証センター
国内19社が協力、動作検証からベンチマークまで
2002.08.20−サン・マイクロシステムズは、新しいシステム導入時に顧客の環境を再現し、事前に十分な動作検証を行うなどしてスムーズな稼働を達成するための専門拠点「iForceレディーセンター」に、国内19社のソフトベンダーらの協力を得てライフサイエンス専門のコミュニティを立ち上げた。ライフサイエンス分野ではシステムの構成が複雑になる場合が多く、実際に特定のハードとソフトの組み合わせで動作や性能を確認することが重要になるという。同センターは、米国シリコンバレーのほか、東京、パリの世界3ヵ所に存在するが、ライフサイエンス専門の体制を整備したのは今回の東京センターが初。世界を先取りした活動を通じて、国内の同市場におけるサンの存在感を高めていく。
iForceレディーセンターは、サンとパートナー各社が一体となってユーザー企業のIT(情報技術)導入を包括的に支援するプログラムである“iForceイニシアチブ”を推進するための戦略拠点で、国内では日本法人の本社ビル15階に設置されている。センター内には、サンのハードウエアのほぼ全機種がそろっており、ベンチマークセンターやプレゼンテーションルームも併設されている。プライバシーが守られた部屋が5つ用意されており、ユーザーとソフトベンダーとサンの3者がその場所を用いてユーザー環境を再現し、実際のハードとソフトの複合的な組み合わせを試して、動作確認・性能チェックを行うという形で利用される。
今回スタートした「ライフサイエンスソリューション・イン・iForceレディーセンター」には、サンのプラットホーム上でこの分野のソリューションを提供している19社のベンダーが協力している。具体的には、アクセルリス(同センターで動作検証が可能なアプリケーションはGeneAtras、AtrasStoreなど)、インサイトジェノミクスアジア(LifeSeq Foundation、DrugMatrixなど)、インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクス(WebGen-LIMS/SNP、コンサルティングおよびインテグレーション)、インフォコム(GeneLime、英ジーンデータのExpressionistとPhylosopher、米マトリクスサイエンスのMASCOTなど)、ザナジェン(XanaGenome、XanaMine、GenomeGamblerなど)、CTCラボラトリーシステムズ(米MDLのISIS、独ライオンのSRSなど)、シリコンジェネティクス(GeNet)、新日鉄ソリューションズ(コンサルティングおよびインテグレーション)、住商バイオサイエンス(コンサルティングおよびインテグレーション)、日本MDLインフォメーションシステムズ(Partekなど)、日本オラクル(Oracleソフトウエア群)、日立製作所ライフサイエンス推進事業部(コンサルティングおよびインテグレーション)、日立ソフトウェアエンジニアリング(コンサルティングおよびインテグレーション)、ファルマデザイン(英インファーマティカのBiopendium)、三井情報開発(米アクセルリスのGCGウィスコンシンパッケージなど)、三菱スペースソフトウェア(米パラセル製品群)、横河アナリティカルシステムズ(米ロゼッタバイオソフトウエアのRosetta Resolver)、理経(米ジオスパイザのFinch-Server)、ワールドフュージョン(記kiroku録-Blast、GenomeViewer、構kouzou造など)−となっている。
今回のライスサイエンスソリューション・イン・iForceレディーセンターには、サンとパートナー各社との間で特別な契約のようなものはなく、サンのプラットホーム上で実際にビジネスをしており、センターのコンセプトに賛同できれば誰でも自由に参加することができるという。
また別のプログラムになるが、サンデベロッパーコネクション(SDC)を通じて、サン上でのアプリケーション開発や移植の支援にも力を入れていく。とくに、日本国内のバイオインフォマティクス系ベンダーはパソコンやウィンドウズ上でシステムを開発しているところが多いため、こちらのプログラムも今後重要になりそうだ。
なお、同社では今回のライスサイエンスソリューション・イン・iForceレディーセンター発足を記念して、28日から30日までの3日間にわたり、8社の個別ソリューションを具体的に紹介するセミナーを開催する。詳細は以下のURLにて確認できる(http://sun.co.jp/events/20020828/)。