ペガサスソフトウェアが発足、事業を開始
プラズマ材料プロセスなど真空技術統合シミュレーターを開発
2002.08.09−わが国初のプラズマ材料プロセスシミュレーションソフトウエアの専門ベンダーとして、ペガサスソフトウェア(本社・東京都中央区、高崎敏英社長)が設立され、本格的に業務を開始した。国内の大手インテグレーターでこの分野のソフトを開発していたグループが独立し、ベンチャーを旗揚げしたもので、ソフトウエアも新たな発想で開発し直し、「PEGASUS」の商品名で販売を開始した。世界で初めて、プラズマプロセスを中心とする真空加工技術の汎用型統合ソフトウエア群を確立することを目指しており、真空装置メーカーや半導体などのデバイスメーカーを対象に普及を図っていく。
ペガサスソフトウェアの資本金は1,000万円。現在の社員数はスピンアウトした5名で、東京都中央区八丁堀4-2-2、共同ビル5階に本社を置いている。電話は03-3553-7211、URLはhttp://www.psinc.co.jp
同社が開発したPEGASUSは、半導体製造技術やプラズマプロセス、真空技術などにおける加工装置の設計・開発、材料やデバイスの開発・製造、プロセス技術の予測・開発・改良などに役立つ支援ソフトウエア。製品ラインアップは、二次元気相シミュレーターと表面科学系シミュレーターに分かれており、細かな機能モジュールを組み合わせることでさまざまな問題に適用させることが可能。
二次元気相シミュレーターは、8月末にプラズマハイブリッドモデルを扱う「PHM」と粒子モデルを採用した「PI-MCCM」、中性粒子の流体モデルによる運動量保存式に対応した「NMEM」、中性粒子の粒子モデルをモンテカルロ法で扱う「DSMCM」−の4モジュールをリリースする。グラフィック機能も標準装備でソフト価格は450万円から。静磁場を計算するモジュールも開発中である。
一方、表面科学系シミュレーターは年内の製品化を目指している。二次元気相シミュレーターによる解析結果を境界条件や初期条件として使用し、エッチングやPECVD(プラズマエンハンスド化学的気相成長)、イオン注入、スパッタリングなどの微細加工プロセスによって材料表面で生じる現象を精度良く予測・解析することができる。
とくに、「SPSM」は加工後の表面形状の変化をサブミクロンスケールでの粒子の輸送と表面反応を加味して予測するもので、ソフト価格は三次元版が700万円(二次元版は350万円)。また、産業技術総合研究所中部センターで開発された「SASAMAL」もラインアップに加える。高線量イオン注入およびスパッタリングシミュレーションが可能。単体価格は150万円で、SASAMALを含むイオン注入シミュレーター「IPSM」は200万円。同じくSASAMALを含むスパッタリングシミュレーター「SPUTSM」は250万円となっている。
PEGASUSを構成するモジュール群の動作環境は、WindowsおよびLinux、UNIXで、今後は並列化対応も図って行く予定。将来的には海外への販売にも挑戦したいということだ。