日立ソフトとDNAチップ研究所が解析サービスを開始

遺伝子発現データの大量データマイニング・遺伝子解析サービスを提供

 2003.12.24−日立ソフトとDNAチップ研究所は22日、DNAチップを用いた遺伝子発現データの統計解析サービスを提供開始すると発表した。DNAチップから得られる大量データの中から有用な情報を取り出すための手法はかなり専門的で煩雑であり、小規模な研究機関では活用が難しい側面もあった。今回のサービスは、DNAチップ市場の裾野の拡大にも寄与すると期待されている。

 DNAチップ/マイクロアレイは、遺伝子解析を網羅的に行えることから需要が拡大している。しかし、出てくる情報量が大量であるため、統計的な手法でデータ解析を行い、さらに発現した遺伝子に関する情報を掘り下げるために多くの公共データベースや文献情報にアクセスする必要があるなど、統計学やIT(情報技術)の専門知識が必要になり、一般の生物系研究者には難しい業務内容を含んでいた。

 今回のサービスでは、日立ソフトとDNAチップ研究所がそれぞれのノウハウを合体させることでトータルサービスを実現。例えば、がんサンプルと非がんサンプルとをDNAチップ解析で比較分析した何10万というデータの山から、がんに関わる遺伝子を抽出したり、さらに臨床病理学的な情報と遺伝子発現データを総合的に判断して治療方針を決定したりすることができるという。また、マウスやラットの遺伝子を使ってホモロジー解析やクラスター解析によって、ヒトの遺伝子の機能を予測したりするなど、ユーザーの研究内容に応じた高度な解析サービスを一貫して提供していく。

 解析には、日立ソフトが開発している「DNASIS」を利用する。サービス料金は個別見積もりとなる。