三井情報開発が匿名化・個人情報管理システムSCTS21の最新版を発売
バーコード機能を追加、人的ミスのない正確な管理が可能
2003.10.16−三井情報開発(MKI)は、遺伝子情報などの人間から採取した試料をプライバシーを確保しつつセキュアに取り扱うための匿名化システム「SCTS21」(商品名)の最新版を販売開始した。バーコード管理機能を追加することで匿名化された検体の取り違えを防ぐなど、人的ミスをなくすことを重視しており、病院や研究所向けの現実的なソリューションとしての機能が高まった。実験装置や関連ソフトを組み合わせたシステムインテグレーション(SI)や匿名化業務に関するコンサルテーションにも力を入れていく。
SCTS21は、2000年からはじまったミレニアムプロジェクト「遺伝子解析による疾病対策・創薬推進事業」の中で開発された検体提供者の遺伝子情報と臨床情報を関連づけるデータベースシステム「SNP2000」をベースに、提供者の個人情報を匿名化する機能をパッケージ化したもの。自治医科大学の小林英司教授の指導のもとで、エーザイの関連会社であるジェノックス創薬研究所と共同開発した。
研究などに用いられる遺伝子情報が、その検体を提供した特定の個人と結びつけられることのないように、個人情報および検体情報を統合的に管理・匿名化する機能を持っている。個人情報の登録、検体の匿名化から、研究期間への匿名化された検体の受け渡しまでの業務全体をサポートできる。
今回の最新版は、既存ユーザーの要望を取り入れ、匿名化する際に検体を取り間違えることがないように、バーコード機能を新たに追加している。検体登録時に検体IDをバーコードとして発行することにより、検体提供者の遺伝子情報を安全かつ正確に管理することが可能。ラベルに打ち出す文字やバーコードなどを画面上で自由にレイアウトできる機能も盛り込んでおり、業務に合わせた形でミスの起きにくい使いやすい環境を構築することができる。
同社では、今後の倫理指針の変化などに即座に対応する体制を整え、継続的にソリューションの強化に取り組んでいく。