インフォコムがワシントン大学で開発された薬物相互作用DBを販売

代謝過程での相互作用情報を検索、1966年以降のデータ収録

 2004.03.12−インフォコムは11日、ワシントン大学薬学部で開発された薬物相互作用データベース(DB)「メタボリズム&トランスポート・ドラッグインタラクションデータベース」(DIDB)の国内販売代理店契約を締結、同DBへのアクセス権の販売および技術サポートを開始すると発表した。2種類以上の薬物が体内で相互作用する情報を簡単な操作で引き出すことができる。価格は、年間契約のコーポレートライセンスで120万円から。初年度に20数社、3年間で50社への販売を見込んでいる。

 DIDB(http://depts.washington.edu/didbase/)は、ワシントン大学薬学部のR.H.レビー教授らのグループが開発したDBで、1966年から現在までに公表されたヒトでの薬物相互作用に関する4,200件の論文からデータを抽出したもの。毎月新しい論文を取り入れて内容を更新している。

 医薬品は通常2種類以上を併用することが多く、体内での薬物同士の相互作用によって薬理効果に変化が生じることが知られている。とくに、代謝過程における相互作用の頻度が高く、臨床的にも重要なものが多いといわれているという。このため、医薬品を適正に使用するために薬物相互作用の知識が必要になるが、これまでは一般的な文献検索から目指す情報にアクセスしなければならなかったため、多くの手間と時間がかかっていた。

 DIDBは、ウェブブラウザーを使って簡単な操作で相互作用情報を直接引き出すことが可能。薬物名で調べるほかに、代謝酵素名からの検索やパラメーターでの検索も行える。製薬企業だけでなく、病院や大学などの幅広い分野で利用できるという。

 DIDBへのアクセス権は、従業員数をもとにした企業規模に応じた年間契約となっている。大学などの教育機関に関しては、学科単位での年間契約となる。