Nature's Linuxアライアンスが14社の参加で始動
技術・サービスを相互補完し共同でソリューション提供
2004.03.13−国産のLinuxディストリビューションを支持して、ベンチャー企業を中心にした連携体制でソリューションビジネスを推進しようとする「ネイチャーズリナックスアライアンス」(略称=NLA)が12日、設立され活動開始したと発表した。ビジネス用途で重要になる管理機能を強化したOS(基本ソフト)である「Nature's Linux」(商品名)を核に、ミドルウエアやアプリケーション、コンテンツ、システムインテグレーション、運用管理、ハードウエア、デバイス関連など相互補完的に技術やサービスを提供できる企業群が集まったもの。現在は14社だが、年内には50社の参加を見込んでおり、夏ごろには共同事業展開を本格化させる。
NLAの発足に参加したのは、IPテレコム、サン・マイクロシステムズ、シーフォーテクノロジー、メディアシーク、富士通プライムソフトテクノロジ、サードウェーブ、NTTコムウェア北海道、デジタルファンデーションズ、富士通ミドルウェア、メディアクリエーション、ユービークロス、ネクスト、情報設計、地域情報計画研究所−の14社。
リーダーとなるIPテレコム(本社・札幌市、関崎裕一社長)が北海道の企業であるため、北海道に拠点を持つ企業が多く参加しているようだ。事務局(http://www.n-linux.com)はIPテレコムの東京オフィス(東京都千代田区)内に置かれる。
基盤になるNature's Linuxは、IPテレコムが製品化したLinux OSで、ビジネス用途での安全性や安定性、保守運用性を考慮し、いちから独自に組み上げたディストリビューションとなっている。必要なプログラムやライブラリーを厳選しているため、動作が軽快で安定しており、迅速なサポートが可能。とくにセキュリティ面では、システム領域とサービス領域を分離してトラブルのリスクを軽減しており、システムの運用やセキュリティの管理を遠隔から行うためのオプションが追加されている。夏には24時間体制の「マネジメントセンター」を開設し、監視サービスを提供していく。
OSとしての提供形態には、開発版と商用版があり、開発版は近く提供を開始する。OS本体と開発環境がセットになっており、無償でダウンロードすることが可能。商用版はマネジメントセンターからの監視サービスを統合したもので、8月から提供を開始する。Linuxのカーネルとしてはカーネル2.4を採用し、インテルプロセッサー用に最適化されているが、組み込み用などの特定デバイス向けのチューニングにも応じる。
NLAでは、メンバー各社の技術や製品・サービスを相互補完的に組み合わせて実際のソリューションを開発し提供していく。ロードマップによると、シーフォーテクノロジーの技術を用いた広域型セキュアファイル暗号化ソリューションを4月に提供するのを皮切りに、VPN(バーチャルプライベートネットワーク)ソリューション、地域ブランドポータル事典ソリューション、建物施設管理ソリューション、次世代コバルトソリューション、携帯配信ソリューション、情報漏えい防止ソリューション、ストリーミング配信ソリューション、デスクトップソリューションなどの提供が予定されている。さらに、参加メンバーから持ち込まれたプロジェクト案を順次採用し、共同ビジネスとして具現化させていく。