2004年春季CCS特集:エルエイシステムズ

たん白質構造予測で製品群を強化、天然物NMRデータベースも

 2004.06.30−エルエイシステムズ(LAS)は、NMR(核磁気共鳴)などのたん白質構造解析分野でソリューションを強化した。チューリッヒ連邦工科大学(ETH)のピーター・ギュンタルト教授(理化学研究所Principal Investigator http://www.cyana.gsc.riken.go.jp/)らが開発したCYANAの全世界での販売権を取得、今月から提供を開始した。

 同社は理化学研究所などへのシステム納入で実績を拡大しており、最近ではとくにNMRなどを使ってたん白質の立体構造を解明するためのソフトウエアや高速計算環境の提供に力を入れている。

 すでに、多次元NMRデータの処理・解析ソフトとして米国立衛生研究所(NIH)で開発されたNMRPipe、米ワンムーンサイエンティフィックのNMRデータビジュアル化・分析用ソフトNMRViewなどの製品を販売してきたが、今回のCYANAはそれらを補完し、たん白質の構造解析に関する研究をさらに前進させることができるという。

 それは、CYANAがNMR解析データをもとにたん白質の構造を自動的に決定する機能を持つため。並列処理にも対応しており、ハイスループットで立体構造を予測することが可能。価格はアカデミックが8万円、民間が200万円となっており、同社のホームページ上から購入を申し込むと、CYANAのプログラムをダウンロードするためのIDとパスワードが発行される。

 また、さらなる新製品として、産総研ベンチャーとして設立されたエヌエムアールデービテック社が開発した有機天然物NMRデータベースCH-NMR-NPをやはり今月から販売開始している。インターネットを介して利用できる検索サービスと、CD-ROMでの通常のライセンス販売の二つの方式で事業化している。天然物のNMRデータベースは世界的にもめずらしいもので、現在は3,000件のデータ件数を年内に5,000件、今後1−2年で1万件へと拡大させていく予定。