2004年春季CCS特集:NECソフト
自社パッケージが続々と登場、バイオ研究環境に新提案
2004.06.30−NECソフトは、研究部門のVALWAYテクノロジーセンターを核にバイオインフォマティクス関連事業を推進。国内の大学や研究機関との共同研究で力をつけ、同センターも4年目を迎えていよいよ事業化に転じる土台が整ってきた。実際、昨年から今年にかけて自社開発のパッケージ製品も続々と登場してきており、今後の展開に期待がふくらんでいる。
同社は、今年の4月にバイオ向けグリッドコンピューティングシステムBioCollabo、5月にバイオ研究の一連のコンピューター処理を自動化するBioWorkbenchを相次ぎ発表した。販売はそれぞれ6月末と7月末からなのでこれからだが、展示会などでの反響は上々だという。
もともと、BLASTなどのバイオアプリケーションはグリッド向きだといわれているが、実際にユーザーが自分でグリッドシステムを組んでアプリケーションを動かすのは難しい。その意味で、BLASTやClustalW、HMMERなどを導入し、すぐに使えるようにして提供されるBioCollaboの存在価値は大きい。
また、BioWorkbenchはJavaスクリプトを利用して複数のバッチジョブを自動的に実行させる機能を持っている。データベース処理やデータ解析作業に有効で、複数の公共データベースをまとめて検索したり順番に検索したりする場合に威力を発揮する。解析の場合でも、BLASTの結果をClustalWに渡し、さらにHMMERを動作させるなどの一連の手順を自動的に実行させることが可能。
この両製品を同時に組み合わせて使用すれば、非常に強力なバイオ研究環境を短期間で立ち上げることができる。
とくに、公共バイオデータベースをインハウスに取り込み常に最新の状態に更新させる日本SGIのBioSerendipサービス、NECが独自に並列化したNECホモロジーサーチャーを組み込むことも可能であり、この3社間での営業協力体制も成立しているようだ。