NECとNEC情報システムズがグリッド応用で理研と共同研究
BLASTをモデルに課金方式や信頼性向上などを検討・評価
2004.04.07−NECとNEC情報システムズは5日、理化学研究所との間でグリッド技術をバイオインフォマティクス分野に応用するための共同研究契約を締結したと発表した。相同性検索プログラムBLASTを事例にして、グリッドでコンピューターリソースを使用させる際の最適な課金方式や信頼性を向上させる方法などについて、検討・実装・評価を行っていく。共同研究の期間は2年間となる。
今回の共同研究は、グリッド技術をベースに、ライフサイエンス研究を効率化できる信頼性の高いシステム基盤を構築することが目的。具体的には、並列生物情報処理イニシアティブ(IPAB)が母体として開発している「OBIGrid」(http://www.obigrid.org/OBIGrid/)上で今年の1月から提供されているグリッド対応BLAST検索サービス「GridBLAST」(https://access.obigrid.org/BLAST/)を利用する。
OBIGridは、理化学研究所、北陸先端科学技術大学院大学、東京工業大学、NECをはじめとした産官学27団体が参加しており、接続されているCPU数は理研GSCと東京工業大学、NECに設置されたPCクラスターなどの合計630台。 GridBLASTは、アミノ酸配列の相同性を調べるPSI-BLASTをNECがPCクラスター向けに並列化した「NECホモロジーサーチャー」をグリッド対応にしたもの。
NECは今後、GridBLASTの運用試験を通してその品質を向上し、共同研究を通して培った技術をもとに、他のバイオインフォマティクスツールのグリッド化も視野に入れて研究開発を推進していく。