米デルのケビン・ロリンズ新CEOが会見
日本市場でトップシェア獲得への意欲示す、“デル効果”さらに波及
2004.07.28−デルの新しいCEO(最高経営責任者)に就任したケビン・ロリンズ社長兼CEOが27日、東京で記者会見を行い、あらためて日本市場への意欲を示した。ロリンズ氏は16日付けで新CEOになったばかりだが、2001年から社長兼COOとして経営に当たってきており、とくに創業者であるマイケル・デル会長との役割分担や責任範囲の変更などはないという。ただ、同社の初のトップ人事として、今後のロリンズCEOのかじ取りが注目される。
会見の中でロリンズCEOは、最近の日本市場における好調さを強調。「今年の第1・四半期は市場の4倍の勢いで成長しており、国内シェアは10−12%強の水準に達した。パソコンで3位、サーバーなら1位である。日本においても、世界シェアと同等の18−19%を目指し、総合的にもトップに立ちたい。時期は設定していないが、4年前のシェアが3−4%しかなかったことを考えると、近い将来には実現できると信じている」と述べた。
また、“デル効果”にも言及し、「オープンスタンダードによって低価格化を図るのがわれわれの戦略。業界の平均価格をIAサーバーで50%、ネットワークストレージで70%引き下げたのが“デル効果”であり、今後もフラットパネルディスプレーやプリンターの世界で同じことが起きるだろう。デル効果が周辺機器市場にも広がり、業界全体の収益は下がるが、顧客には利益になる」とした。
ロリンズCEOは「世界のどこにおいても勝利し続けることがデルの文化だと思っている。この価値観や決意を全員が共有していることがわれわれの強みだ。ただし、それは正当な勝ち方でなければならず、倫理観が重要になる。倫理的な企業文化は、売り上げにも株主からの信頼の面でもプラスに働く」とし、あらためて日本市場での“勝利”を期した。
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記者とのQ&Aでは、WindowsとLinuxとの勢いに関する質問が出た。「マイクロソフトのシステム管理ツールが良くなっており、顧客もそれを評価してきている。顧客はLinuxにも興味はあるが、やはり選択されるのはWindowsが圧倒的に多い。サーバーでも、Linuxの出荷比率は1ケタ台にとどまっている」のが現状だという。
また、米大統領選挙を控えて、米国の雇用の海外流出が問題になっているが、これに対してどういう立場をとっているのかという質問には、「デルの考え方は“オフショア”ではなく、“オールショア”だ。全世界で雇用を拡大していく」と述べた。