マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が次世代検索技術を披露

“答え”を出すインテリジェントな検索、「リッチだがまだ始まったばかり」

 2005.06.30−マイクロソフトは27日、「次世代検索を語る」と題して都内でセミナーを開催した。ビル・ゲイツ会長兼CSA(チーフソフトウエアアーキテクト)が登壇し、日本語版を提供開始したばかりの新しい検索技術である「MSNサーチ」、「MSNサーチツールバー」、「Windowsデスクトップサーチ」を紹介、「リッチな検索機能によって、将来の情報整理のやり方は変わる。これらはロングホーン(次期Windowsの開発コード名)で実現する機能をWindowsXP上で先取りしたものであり、たいへんリッチな機能ではあるが始まりに過ぎない」として、開発中の次世代検索技術のいくつかにも言及した。

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 ゲイツ会長は、「ユーザーが知りたいのはリンクではなくアンサー。例えば、あるユーザーがカメラの名前で検索した場合、それを買いたいと思っているのか、すでにそのカメラを所有していてサポート情報を探しているのか、ユーザーが知りたいことを理解して“答え”を提示できるインテリジェントな検索が必要だ」と述べ、現在の検索エンジンの限界を指摘した。

 同社のポータルサービス「MSN」から利用できる「MSNサーチ」(http://search.msn.co.jp)は、百科事典コンテンツである「エンカルタ」との統合が行われており、“答え”が出ることが特徴。例えば、「日本の人口」と入れて検索すると、通常の関連ページへのリンクとともに、「1億2,741万7,240人」という“答え”が返ってくる。「日本の人口 1990」と入れれば、1990年の統計から「1億2,353万7,399人」と示された。

 デスクトップサーチでは、「Googleデスクトップ検索」との比較も行われた。「Windowsデスクトップサーチ」(http://desktop.msn.co.jp)は、画像情報などをイメージでわかりやすく表示できるのが特徴で、パワーポイントなどもその場でプレビューが行える。検索範囲をデスクトップとウェブ間で自由に行き来できるのも便利だが、これはGoogleも同じ機能を持っている。

 ゲイツ会長は、「これらの検索ツールは非常にリッチだが、まだ始まったばかりだ。どんな質問にも答えが出るようにすること、質問者の意図を理解するディープサーチ、また自分の町など地域を限定して情報を探し出すことが課題になる。そして、モバイル環境において、小さな画面にいかに情報を表示させるか、どう見せるかも工夫が必要だ」とし、開発中の次世代技術のいくつかを紹介した。

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 実際にデモを行ったのは、クリストファー・ペイン副社長。まずは「start.com」(http://www.start.com/myw3b/:このURLはデモで使用されたもので実際にアクティブなページにつながっちゃいます。カスタマイズも有効ですが、いろんな人がここへアクセスしていじってしまうとどうなってしまうかわかりません)が披露された。これは、カスタマイズ可能な個人情報ポータルのようなサービスだと思われる。ページの左上に大きなスタートボタンがあり、それを押すとページ内に表示できる情報コンテンツのリストがプルダウンする。カテゴリーは、ビジネス、エンターテインメント、ヘルス、ニュース、サイエンス&テクノロジー、スポーツ−などに分かれており、その中から表示したい項目を選ぶことができる。ページ内の項目の配置はドラッグ&ドロップで自由に変えられる。

 次に紹介されたのは「MSNサーチ」の拡張機能として開発されている自然語検索の事例で、「ビル・ゲイツはだれと結婚していますか」、「マイクロソフトリサーチのトップはだれですか」といった質問に答えることができた。将来的には、世界中の人がどんな質問を投げかけても正しく答えられるようにしたいという。

 また、地図と一体化した“バーチャルアース”機能のデモでは、シアトルの有名スポットである「スペースニードルタワー」の位置を地図上で検索し、その周辺で空いている駐車場を探して位置を表示させ、さらにレストランを検索して位置を確認するといった一連の操作が実演された。通常の地図と衛生画像とを組み合わせて表示することが可能で、いまは北米の一部都市の周辺だけのようだが、対象地域を徐々に広げていく計画のようだ。

 セミナーの最後に、ゲイツ会長は日本市場にコミットメントし、50人規模の研究者で構成する「MSN R&Dセンター」を国内に設立したことを明らかにした。「日本のみなさんがさらに使いやすく、便利になるようにさらなる改善を図りたい」と約束した。