2005年秋のCCS特集:トムソンサイエンティフィック

製薬業向けポータルサービス好調、コンテンツ強化へM&Aも

 2005.12.08−トムソンサイエンティフィックは、世界最大級の特許および学術文献サービスプロバイダー。今年から本格的にサービス開始した「ThomsonPharma」(トムソンファーマ)が好調で、年末までには50社以上の契約に達する見通し。順次機能を拡張しているが、今後も利用者の意見を反映させて改良を続けていく考えだ。

 トムソンファーマは、製薬会社のあらゆる情報ニーズを満たすため、7種類のレポートを通して、豊富なデータベース(DB)コンテンツをインターネット経由で提供するサービス。いわば医薬に関する幅広い情報のワンストップポータルで、「薬物」、「特許」、「ニュース・文献」、「企業情報」、「創薬ターゲット」、「化学情報(化合物・反応)」、「遺伝子配列情報」−の切り口で、相互に情報をリンクさせながら深く掘り下げて調べることが可能。

 サービス開始以来、4回のアップデートを重ねており、10月からの新機能として新ポートレット「合成法」が利用できるようになった。ポートレットと呼ばれているのは、特定の専門分野を考慮して設定された情報パッケージのことで、臨床試験関連、企業の提携・合併、財務情報、新規化合物情報、特許情報、解説記事・ジャーナルなど、利用者の業務や関心に合わせたレポートや検索ページへのリンクが含まれている。このポートレットの組み合わせをカスタマイズすることで、パーソナル化された情報ポータルを実現することができる。

 今回の新ポートレット「合成法」は、1993年以降の最新の合成法に関する文献情報を集めたもので、特許からのデータも入っている。データは毎週アップデートされるが、月平均3,000件のデータが追加されるという。反応条件や化学構造で新規の反応を検索することができる。

 同社は、コンテンツ拡充のために積極的な買収もかけており、最近ではアストロラーベやニューポートストラテジー、リークエントなどが同社の傘下に入った。順次トムソンファーマからも利用可能になる予定だ。