CCS特集2006年春:科学技術振興機構
国内最大級の化学物質DB、文献情報とのリンクを実現
2006.06.30−科学技術振興機構(JST)は、国内最大級の230万件の化学物質データを収録した無料のオンラインサービス「日化辞Web」をグレードアップした。とくに、今年の4月から文献検索サービスの「Jdream II」とのリンクを実現。文献情報の中に化学物質が含まれている場合、ワンクリックで日化辞Webに飛んで詳細情報を調べることが可能になった。また、サーバーを増設して文字列検索速度を大幅に高めたことに加え、検索表示・検索画面もより使いやすく改良した。
利用状況も飛躍的に伸びており、月間の検索数は1年前に3万回だったのに対し、現在では10万回近い。この6月からはデータの更新頻度も不定期から週1回へと早めた。
日化辞Webは、化審法や労働安全衛生法に記載された物質、ならびにJSTが提供する科学技術文献データベースなどからの最新情報を取り込んだもの。検索方法は、フリーキーワードでの簡易検索、物質名や分子式、法規制番号などの各データ項目に対する文字列検索、構造式を使った化学構造検索の3種類を選ぶことができる。
とくに今回、文字列の入力欄の下に、入力の仕方の例が表示されるようになったので、初心者でも検索に手間取らない。構造式を作図するためのChemDrawプラグインも、JSTのサーバーから個人情報を入力することなくすぐにダウンロードできるようにした。
表示面も改善され、ヒットリストから一括選択して一度に詳細表示させたり、混合物に含まれる各物質の化学構造を個別に表示したりできるようになった。
今年度中には構造検索スピードの高速化も予定しているほか、将来的には、日化辞Web側からもJdream IIにリンクできるように開発を検討している。