CCS特集2006年春：ノーザンサイエンスコンサルティング

薬物動態予測で先端ツール、営業・サポートなど体制強化

　2006.06.30−ノーザンサイエンスコンサルティング（NSC）は、米シミュレーションズプラスの創薬支援ツール、さらには受託試験サービスなどの窓口業務も幅広く手がけている。北海道で設立して3年目を迎え、事業も軌道に乗りはじめており、アプリケーションサイエンティストなどのスタッフも増強。営業面も強化し、年内には東京に事務所を開設する計画である。

　シミュレーションズプラスの主力製品である「GastroPlus」は、経口投与製剤の消化管内の挙動、薬物の血中移行を解析・予測するソフト。製剤設計に利用できるため、米国では後発品（ジェネリック）企業にも導入が進んでいる。新機能として生理学的薬物動態モデル（PBPK）モジュールが追加されているが、5月のバージョンアップでプログラムが安定し、今後本格的な普及が期待されるという。脳や肝臓などの異なる組織に対する浸透を詳しく調べることができる。

　また、ADME（吸収・分布・代謝・排出）物性予測ツールの「ADMETプレディクター」は、計算が速く、大量の化合物を扱いやすいことが特徴。「ADMETモデラー」で構築したニューラルネットワークが組み込まれており、多くの特性を予測できるので総合的な判断ができるという強みがある。

　一方、「ClassPharmer」は、シミュレーションズプラスがバイオリーズン社を買収して戦列に加えた製品。大量のケミカルスクリーニングデータを解析し、共通の部分構造を抽出してクラス分類を行い、活性などで優先度の高い化合物群を見いだすことができる。夏には最新バージョン4.1がリリースされ、パイプラインパイロットやスポットファイアーなどの他社製品とも連携可能になるという。