CCS特集2006年春:トムソンサイエンティフィック
製薬産業向けで40種類のDB統合、経営層向けコンテンツも拡充
2006.06.30−トムソンサイエンティフィックは、国内の製薬産業に向けた価値ある情報の提供にさらに拍車をかける。約40種類のデータベース(DB)コンテンツを網羅的に検索・閲覧できる「ThomsonPharma」を中心に利用者を伸ばしている。同社のコンテンツは新薬開発の研究者向けという色彩が濃かったが、ここ数年間はエグゼクティブ向けのハイレベルの情報、またジェネリック企業に役立つコンテンツ提供にも力を入れている。
個別のDBサービスから統合型のThomsonPharmaへの移行は、ハイペースで進んでおり、既存顧客の95%以上がすでに切り替えたという。医薬品情報や特許、学術文献、創薬ターゲット、化合物情報、企業動向まで豊富なコンテンツが相互にリンクし、ウェブベースで調べやすいのが特徴で、検索のプロだけでなく経営者層が直接利用するなど、利用者の裾野が広がっている。
強力なコンフィギュレーション機能があるため、メニューを変更して、自分の興味のある分野のコンテンツだけを細かく閲覧できるようにすることなども容易。
マネジメント向けのコンテンツでは、今年の4月に買収した英CMR社のサービスが注目される。臨床試験のフェーズを先に進めるか否かの判断材料を提供するというユニークなもの。欧米ではかなりの実績があるようだ。
一方、一昨年に買収したニューポート・ストラテジー社が提供していたジェネリック・医薬原体(API)企業向けの「HorizonGlobal」も欧米でよく知られたDBサービスで、こちらはすでに日本市場での本格展開がはじまっている。インドや中国を含めた世界中の原薬供給者の情報を集めており、日本では新薬メーカー向けの「VisionCI」の関心も高いという。