ワンダーウェアがプロセス業向け生産統合ソリューションに本腰
現場データとERPを結び製造の最適化実現、パートナー戦略強化へ
2007.01.17−ワンダーウェアは、プロセス産業の生産活動全体にわたる情報を統合し、刻々と変化するプラントの運転条件・稼働状況などの現場の情報をリアルタイムに把握しながら、最適な意思決定を下せるようにサポートするソリューションの国内での展開に本腰を入れる。ERP(エンタープライズリソースプランニング)などの基幹業務システムと連携させて、企業全体における製造・生産の最適化を探ることができる。国内では、生産系のソフトはいまだに手組みのものが多いが、共通プラットホームを持つパッケージを採用することによるメリットを訴えつつ、パートナー戦略を含めた体制固めを図る。
同社は、英国に本拠を置くインベンシスグループの一社で、プラントの温度・圧力・流量などのセンサーと接続してプロセス監視を行うためのコントローラーを提供していた企業。最近では、プロセス管理に役立てるための各種データ分析ツールを開発・販売してきたが、2003年にシステム間の統合と連携を実現する“ArchestrA”(アーケストラ)構想を打ち出し、戦略を大きく転換した。
具体的な製品としては、業界標準準拠の統合プラットホームとして機能する「インダストリアルアプリケーションサーバー」(IAS)の上で、アプリケーションとしての「P&PMモジュール」が提供される。
P&PMモジュールには、製造指示の実行、生産状態および履歴管理、操業データ(仕様・手順)管理などの「製造管理」、製造データを利用した各種分析ツールから構成される「実績データ管理」といった分野での機能を順次盛り込んでいく計画。昨年11月には、新モジュールとして、設備効率を分析・管理するための「EPMモジュール」、バッチプロセス設備の運転管理を行う「EOMモジュール」を発売しており、当面はこれらの普及に力を入れることになる。
これまでに開発してきた単独のツール群は、現在でもIASに接続することは可能だが、プラットホームに正式にビルトインできるかたちで再開発し、製品体系を整備しなおす計画もある。
販売は代理店方式で、キヤノンシステムソリューションズと日鉄エレックスが担当しているが、IASベースのソリューション展開を成功させるためさらなる協調を図る。また、システムインテグレーターとのパートナーシップが重要になるため、“ArchestrA”対応の技術力を備えた認定インテグレーターを増やす努力も払っていく。