富士通がアスペンテックとパートナー契約を締結

プロセス業向け全体最適化を実現、国内市場に合わせたシステム構築・サービス提供

 2007.08.22−富士通は20日、プロセス産業専門IT(情報技術)ベンダーの米アスペンテクノロジー(アスペンテック)とソリューションビジネスでパートナー契約を結んだと発表した。日本法人であるアスペンテックジャパン(松本健一社長)と協業し、石油、化学、紙パルプ、製薬などの企業向けに、最適なサプライチェーンマネジメント(SCM)およびプラントオペレーションを実現するソリューション「aspenONE」を提供していく。グローバルに認められているベストプラクティスが、国内に適したシステム構築やサービスを組み合わせたかたちで導入できるようになることが大きな利点といえる。

 プロセス産業の生産現場は、設備のパフォーマンスや信頼性の向上、法令規制への適合、生産コスト削減、SCMの最適化などが求められており、現場のプロセス制御/オンライン最適運転を含めた生産系システムと、ERP(エンタープライズリソースプランニング)に代表される基幹系業務システムとの統合が課題とされつつある。

 aspenONEは、業種特化した業務横断型の全体最適化統合ソリューションとして、欧米では高い実績を誇っているが、国内においてはパートナー戦略がやや弱かった。その意味では、今回の富士通との提携により、大規模な案件にも容易に対応できるようになる。

 一方の富士通も、もともとプロセス分野の業界に強いベンダー。今回、アスペンテックのソリューションを扱うことで、基幹系、生産管理、販売物流などのアプリケーションに加え、生産現場に直結したソフトウエアを含む包括的なソリューション体系を整えた。これにより、顧客の経営課題により深く踏み込んだ事業展開が可能になった。