2007年秋CCS特集:アクセルリス
研究基盤を高度に統合化、ナノ材料設計など新技術を組み込み
2007.11.26−アクセルリスは、ミドルウエア「パイプラインパイロット」(PP)を基盤にして多彩な製品群を統合。研究開発の過程で得られるさまざまな情報、モデリングやシミュレーション結果などを、自動化されたワークフローを通して自在に活用できるようにする“サイエンティフィック・ビジネスインテリジェンス”の考え方を打ち出している。
ビジネスインテリジェンス(BI)は、ビジネスの意思決定をすばやく的確に行うことを支援するツールだが、同社はその概念を研究開発のステージに持ち込もうとしている。これにより、CCSが単発の研究支援システムではなく、研究のやり方や環境そのものを変えるエンタープライズレベルの基盤技術へと発展することになる。これを、PPをベースに実現することがアクセルリスの基本戦略だ。
ソリューションを構成する個々の製品も、実績豊富な最先端のシステムが揃っている。ケムインフォマティクス領域の「Accord」はサービス指向アーキテクチャー(SOA)対応、64ビット対応が進み、最新のIT技術で情報管理基盤を構築できるほか、関心が高まっている電子実験ノートブックでは、米アジレントとの再販契約に基づき、Accordと統合できる「Kalabie」を提供していく。
モデリングソフトでは、材料科学向けの「マテリアルスタジオ」(MS)と生命科学向けの「ディスカバリースタジオ」(DS)で全方位をカバー。10月にはそれぞれの最新バージョンがリリースされた。
MS4.2は、既存の機能の大幅強化に加えて、新機能の組み込みも進展。とくに、ナノ材料設計技術の確立を目指す「ナノテクノロジーコンソーシアム」の開発成果が一部利用可能となっている。同コンソーシアムは9月から第2期がスタートしており、国内ユーザーからの注目度も高い。
DS2.0では、ファーマコフォアモデリング機能の強化や、たん白質の側鎖のフレキシビリティを考慮したドッキング解析などの新機能が組み込まれている。