FQSがADMEデータベースサービスの最新バージョン8を提供開始

酵素反応実験情報を追加、キネティックパラメーターを表示

 2007.10.10−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、新薬開発に利用できるADME(吸収・分布・代謝・排出)データベース(DB)サービスのコンテンツを強化し、10月からバージョン8として提供開始した。2005年10月のサービス開始以来、四半期ごとに機能強化しているもので、今回は薬物動態の実験情報であるキネティックパラメーターの件数表示および主要な実験値の一覧表示機能を追加した。利用料金は年間ライセンスで105万円から。1年間に30件の新規契約を見込む。

 このDBは、薬物動態分野で著明なクロアチアのレンディック教授らが収集したデータをもとにしたもので、チトクロームP450やトランスポーターたん白質、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)など、ヒトの主要な薬物動態関連たん白質および薬物の最新情報を収めている。

 登録データ件数は、基質・阻害剤・誘導剤を合わせて、P450関連が1万9,557件、トランスポーターが1万3,543件、その他の薬物代謝酵素が6,466件で、合計3万8,378件となっている。

 最新版の新機能であるキネティックパラメーターは、P450に関連する化合物との酵素反応の実験データを集めたもの。主要なパラメーター(Km、Vmax、Ki、IC50)の件数を一覧表示するとともに、パラメーターごとの実験値をまとめて取得することが可能。論文単位のデータからそれぞれを見比べる必要がないため、調査の効率が高い。さらに、キネティックパラメーターの頻度グラフにより、実験値の分布を簡単に確認することが可能。

 年間ライセンスは、P450をはじめとするヒト薬物代謝酵素DBの利用で、同時10ユーザーまで105万円、20ユーザーまで157万5000円、キネティックデータオプション付きで10ユーザーまで126万円、20ユーザーまで189万円。トランスポーターDBは単独で10ユーザーまで52万5000円、20ユーザーまで78万7500円。全DBパックで10ユーザーまで157万5000円、20ユーザーまで210万円。構造検索はオプションで、10ユーザーまで21万円、20ユーザーまで31万5000円となる。教育機関向けは全DBパックのみの提供で、10ユーザーまで52万5000円、20ユーザーまで78万7500円。

 なお、10日から12日まで仙台国際センターで開催される「第8回国際薬物動態学会」において、このDBを利用した創薬に関してポスター発表を行う。展示会場ではデモンストレーションも行われる。