2008年春CCS特集:エルエイシステムズ

NMR関連など新製品攻勢、医用画像処理でも実績

 2008.06.25−エルエイシステムズ(LAS)は、NMR関連の解析ソフト、および医用画像処理ソフトで高い実績を築いている。今年は新製品を軸に両分野で攻勢をかける。

 NMR関連では、理化学研究所で開発された統合管理型NMRデータ解析ソフト「KUJIRA」の民間向け販売権を昨年10月に取得した。文部科学省「タンパク3000プロジェクト」において、理研が決定したたん白質の立体構造1,300のうち、1,150の構造決定にこのKUJIRAが利用された。とくに、それまで2〜4ヵ月かかっていた作業時間を、4週間以下にまで短縮したとされており、効率の高さが最大の特徴となっている。

 同社では、KUJIRA単独ではなく、NMRデータ処理ソフト「NMRPipe」(米国立衛生研究所が開発)およびたん白質構造計算ソフト「CYANA」(チューリヒ連邦工科大学のピーター・ギュンタルト教授らが開発)を連携させた統合ソリューションとして、フルサービスで提供を行う方針。これら周辺のソフトが揃うことによって、KUJIRAの真価をたやすく引き出すことができるという。

 一方、医用画像処理の新製品は、昨年11月に代理店契約した「nordicICE」(ノルウェーのノルディックイメージングラボ社)。各メーカーのMRI装置と接続できる画像解析ソフトで、多機能・高速処理が特徴。脳の研究に特化しており、臨床的な用途を重視したオプションモジュールも用意されている。

 また、MRIデータのスペクトルをもとに代謝産物を定量解析する「LCModel」(加ステファン・プロベンチャー)も臨床分野で使われる関連製品として、販売に力を入れる。

 その他、有機天然物NMRデータベース「CH-NMR-NP」はオンライン検索サービスだが、スタンドアロンでデモンストレーションできる用意が整ったことから、展示会などを含めてあらためてプロモーションを強化していく。