ケンブリッジソフトがChemBioOfficeのワークグループ版を推進

SQLサーバーベースで容易な導入・運用管理、年間ライセンスで利便性

 2008.07.25−ケンブリッジソフトは、化学・製薬業向けインフォマティクスプラットホーム製品「ChemBioOffice2008」で、デスクトップ版とエンタープライズ版の間に位置するワークグループ版の提案活動を強化する。オラクルがベースとなるエンタープライズ版と異なり、ワークグループ版はSQLサーバーをベースにしているため、50ユーザー程度までなら保守管理が比較的容易。デスクトップ製品を使用しているユーザーのステップアップとして最適な機能を備えている。

 ケンブリッジソフトは、6月20日に東京で「ケンブリッジソフトセミナー」を開催した。その中では、主にエンタープライズ版の話題が取り上げられ、とくに電子実験ノートブック「E-Notebook」の導入事例が多数紹介された。

 これらに加えて、同社側からプレゼンテーションされたのが、ワークグループ版の話題。もともと、ChemBioOfficeには3つのエディションがある。ワークグループ版とエンタープライズ版の違いは、採用しているデータベースシステムがSQLサーバーかオラクルかということ。エンタープライズ版は数千人規模のユーザーを管理できるが、ワークグループ版は50人程度までが適正規模となる。

 逆に、デスクトップ版は1人から10人程度が個人使用することを前提にしているが、電子ノート機能や試薬管理機能をインストールすると、エクスプレス版と呼ばれるSQLサーバー(機能限定の無償バージョン)も同時にセットアップされる。このため、デスクトップ版からワークグループ版へのアップグレードは容易に行える。

 このため、デスクトップ製品のみを使用していたが、情報共有のニーズが拡大してきているユーザー、また電子ノートや試薬管理、アッセイデータ管理などのアプリケーションを部門単位で導入したいユーザー、オラクルのようにライセンス・導入・保守に時間と費用はかけられないが、SQLサーバーであれば導入済みあるいは導入可能だと考えるユーザー向けにワークグループ版を提案していくことにした。

 同社では、年間サイトライセンスでワークグループ版を推進する考え。このライセンスは、企業・学校単位で導入でき、ユーザー数に制限はない。常に最新バージョンを利用できるほか、研究者や学生の自宅のパソコンにもインストールすることが可能。現在は利用者ごとにいろいろなバージョンが混在しているユーザーも多いが、それが統一されることも含め、管理者の負担も大幅に軽減できるという。