2008年冬CCS特集:菱化システム

生命系から材料系までを網羅、ケミスト向けで新機能搭載

 2008.12.04−菱化システムは、生命科学から材料科学、また計算化学から情報化学までの幅広い製品ラインアップでCCS事業を推進。サポートにも定評があり、長年にわたって国内のトップベンダーとしての地位を保持している。

 とくに、主力製品である「MOE」(加CCG)に関しては、専用の開発言語“SVL”を駆使して本体の機能を補完するプログラム集を独自に作成して公開するなど、輸入販売の枠を越えた活動を展開。ユーザーの要望にきめ細かく対応するサービスも行っている。

 そのMOEは、11月後半に最新バージョンがリリースされたばかり。構造活性相関のための新しいウェブアプリケーション「SAReport」が追加されている。4,000化合物までのライブラリーを読み込み、母核を自動的に検出して構造のアラインメントを行う機能を持つ。解析結果はウェブブラウザーにレポート出力されるので、メディシナルケミストに使いやすいシステムとなっている。

 分子モデリングソフトは、一般に3次元構造をメインに取り扱うが、メディシナルケミスト向けのレポートはやはり2次元構造式の方がわかりやすい。MOEでは違和感のない自然な構造式に自動変換されるが、こうした細かな部分の良さが現場のユーザーに高く評価されているのだという。

 そのほか、デノボ(de Novo)デザインツール「BREED」、抗体モデリング専門の新理論の採用、SDファイルのパイプライン処理機能など、多くの新機能が搭載された。

 同社は、MOEのアジア市場での普及も担当しており、中国・シンガポール・韓国・台湾など13サイトへの導入実績がある。現地のユーザーが使いやすいようにSVLでメニューをカスタマイズするなど、きめ細かなサービスが評判となっているようだ。

 一方、その他の製品では、「MOPAC2009」(米スチュワートコンピューテーショナルケミストリー)のベータ版を出荷中。生体高分子を対象としたMOZYME機能が統合されており、正式版は来年1月からの予定だという。材料系では「CHEMKIN Pro」(米リアクションデザイン)が新製品として着実に浸透。マイクロアレイ解析に特化した「Partek」(米パーテック)の実績も上がってきている。