2008年冬CCS特集:シミックス・テクノロジーズ・ジャパン
電子ノートを大幅に機能強化、粉体分注など実験自動化も
2008.12.04−シミックス・テクノロジーズ・ジャパンは、医薬・化学・材料研究の情報基盤をデータベースやワークフローで支える“SymyxSoftware”、マイクロスケールのハイスループット実験技術を提供する“SymyxTools”、幅広い製品領域で受託研究を行う“SymyxResearch”−の3本柱を中心に、日本市場へのさらなる浸透を目指す。パートナー戦略の強化など、足場固めも進んできている。
とくに、来年に向けての戦略商品は電子実験ノートブックの「SymyxNotebook」。統合化されたプラットホームのもとで、合成部門、プロセス化学、分析部門、製剤部門、生物部門など各部署の異なるニーズに対応できる柔軟性を備えていることが特徴。プラットホームとして、化合物登録管理、試薬管理、実験データ管理などのアプリケーションと共通化され、高度なシステム統合を実現することができる。
来年春にはSymyxNotebook6.2のリリースが予定されているが、メディシナルケミスト向けの大幅機能強化が図られるため、国内ユーザーの関心が高い。このタイミングでの導入に向けて、具体的な評価に入るユーザーもいくつか出てきているということだ。
一方、Tools事業とResearch事業の拡大も図る。Tools事業では新たに開発された粉体分注装置「Powdernium」を各種展示会などで積極的に紹介してきたが、このほど正式に採用が決まった。粉体吐出量の精密なコントロールが可能。受託研究事業は、触媒やポリマー開発、コンシューマー製品のテスティングなど幅広い分野に対応できる。国内でもいくつの案件が進んでいるという。
また同社では、国内の製薬・化学メーカーに加え、臨床試験のモニタリングなどを請け負う医薬品開発業務受託機関(CRO)を対象としたビジネスにも力を入れる考え。CROと製薬会社の連携を情報技術(IT)でサポートしていく。