CTCLSが次世代シーケンサー対応データ解析ソリューション

大量データを高速処理、トランスクリプトーム解析など各種ツール搭載

 2008.12.18−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、このほど独ジェノマティクス(本社・ミュンヘン、トーマス・ワーナー社長)が開発した次世代シーケンサー向けデータ解析システム「Genomatix Mapping Station」(マッピングステーション)および「Genomatix Genome Analyzer」(ゲノムアナライザー)の販売を開始した。次世代シーケンサーが出力する大量のデータをストレスなく解析できる業界初のシステムで、フリーのツールなどを組み合わせた現在の解析手法に比べ、数十倍から数百倍の時間短縮を可能にするという。この分野の標準ツールとなることを目指し、CTCLSでは3年後に5億円の販売を見込んでいる。

 次世代シーケンサーは、国立研究機関や大学などで導入が活発化しており、民間企業でもマイクロアレイ解析からのステップアップとして採用を検討するところが増えつつある。約2ヵ月でヒトゲノムの解読を完了するという高速性が特徴だが、それだけに出力されるシーケンスデータ(一度に数テラバイトにも及ぶ)が膨大になり、データ解析が追いつかないのが実情だとされている。

 今回のソリューションは2段構えの製品で、次世代シーケンサーの出力データをリファレンスの配列にマッピングする「Genomatixマッピングステーション」(永久ライセンスで約2,000万円、アカデミックは半額)、ゲノムワイド解析やトランスクリプトーム解析、ChIP-Seq解析などのツールを備えた「Genomatixゲノムアナライザー」(同じく約3,000万円)から構成される。マッピングステーションは、1,480万シーケンス(各20塩基対)の配列データを2時間以内でマッピング可能。ゲノムアナライザーは、次世代シーケンサー対応のシーケンスタグのノーマライゼーション、クラスタリングを含め、豊富な解析ツールを用意している。

 とくに、製薬企業などでは、マイクロアレイに代わって次世代シーケンサーを利用したトランスクリプトーム解析が注目されつつあるため、CTCLSではシーケンサーメーカーと協調してセットでの普及を進めたい考え。すでに、アプライドバイオシステムズジャパンとはセミナーの共同開催も行っている(11月)。

 CTCLSは以前からジェノマティクスの国内代理店を務めており、制御領域解析のトータルパッケージ「Genomatixスイート」、遺伝子と転写因子の相関関係をマイニングしたデータベース「BiblioSphere」などの製品を提供している。