エヌビディアがプロ用途向けの新世代グラフィックカード
グラフィックとシミュレーションを統合強化、大幅性能アップで新分野開拓へ
2010.08.25−エヌビディアは、企業ユースなどプロフェッショナル向けのグラフィックカード「Quadro」の新製品を発売した。“Fermi”アーキテクチャーを搭載しており、3次元グラフィック性能がこれまでの5倍、シミュレーション演算性能が8倍に高速化されている。価格は、「Quadro4000」(256コア、2GBメモリー)が9万9,800円、「Quadro5000」(352コア、2.5GBメモリー)が22万8,000円、「Quadro6000」(448コア、6GBメモリー)は49万8,000円。このほかに、Quadro6000を2枚搭載した外付けボックスタイプの「Quadro Plex 7000」もある。
エヌビディアのグラフィックカードの中でも、「Quadro」は製品設計やCG制作などのプロユースに利用される高品位な製品で、これを搭載したワークステーションを開発するPCメーカーや、CAD/CAEなどのアプリケーションベンダーなどとの連携のもとに、エンタープライズクラスのサポートを付けて提供される。
同社によると、今回のQuadroは第3世代の製品。高いグラフィック描画性能(ジオメトリー演算性能)をそのままに、GPUをシミュレーション(浮動小数点演算)にも利用する“CUDA”技術を組み込んだのが第2世代の製品であったのに対し、第3世代Quadroは、ジオメトリー演算を5倍(毎秒約13億トライアングル)、浮動小数点演算を8倍(毎秒約1テラFLOPS)に向上させている。このため、第2世代QuadroとCUDAアクセラレーターボード製品のTeslaを組み合わせていた用途も、今回の第3世代Quadroならこれ一つで行うことも可能になるという。3Dの立体視にも完全対応している。
これにより、同社は新しい市場領域の開拓を狙う。物理演算のともなうグラフィック、複雑で大規模なモデル、医用画像処理などの分野に力を入れる考えである。