富士通が大日本印刷と提携し電子書籍ビジネスに参入
マルチデバイスで閲覧可能、国内最大規模の品揃え目指す
2011.03.04−富士通は3日、電子書籍ビジネスに参入すると発表した。まずは大日本印刷(DNP)と提携し、5月からサービスを立ち上げる。DNPグループが提供する数万点の電子書籍に加え、ジー・サーチなどの富士通グループのコンテンツも合わせて配信していく。いったん購入した電子書籍は、パソコンや携帯電話など複数の端末で利用できるようにするという。向こう3年間で40億円規模の売り上げを見込む。
今回の電子書籍配信サービスは、パソコンや携帯電話を中心とする同社のユビキタス事業の新展開として開始するもの。ハード主体から、サービスやコンテンツを組み合わせたビジネスへの転換を目指していく。
米国で急拡大している電子書籍市場は、日本でも3年後には1,000億円を超えるという予測がある。電子書籍は、同社のユビキタス構想である“ヒューマンセントリックなインテリジェントソサエティ”を具体化する取り組みの1つとして位置付けられるという。
今回の発表会では詳細は未定としているが、スタート時点でDNPグループの電子出版取次サービス「MobileBook.jp」で扱われている数万点の電子書籍、富士通グループのジー・サーチが持っているビジネス分野の書籍・雑誌、白書・統計情報、調査レポートなど約30万点、富士通エフ・オー・エムのビジネス・IT・試験対策などの各種電子コンテンツが購入できる。国内最大規模の品揃えを目指すとしている。
とくに、ジャンル検索やキーワード検索に加え、横断検索ができるなど、必要なコンテンツを探し出す機能や、パソコン/スマートフォン/スレート端末などマルチデバイスに対応するところで、競合サービスとの差別化を図っていく考え。2012年からはDNPグループとの連携を深め、リアル書店や電子書店とのポイント交換ができるようにする。また、他社の電子書籍サービスからダウンロードしたコンテンツも含めて管理できる電子ライブラリー機能なども提供していく予定。