ヒューリンクスが製薬業向けCCSラインアップ拡充

新たに3社と販売契約、既存ユーザーのサポートも引き受け

 2011.10.05−ヒューリンクスは、製薬業向けコンピューターケミストリーシステム(CCS)製品を一気に拡充し、10月から新たに3社のベンダーと販売契約を結んだ。具体的には、加シムバイオシス、英キーモジュール、英デジタルケミストリーで、すべて国内で別の代理店が販売していた製品。今回、既存ユーザーに対する保守・サポートもヒューリンクスが引き継ぐ契約になっている。同社のCCS事業は大学・官公庁分野が強いが、製薬業向けのシステムを幅広く品揃えすることで民間向けビジネスの拡大を図っていく。

 加シムバイオシス(正式名称はシミュレーテッドバイオモレキュラーシステムズ、ゾルト・ゾルドシュ社長)はカナダのトロントに本社を置くCCSベンダーで、欧米の製薬会社を中心に世界で150以上のグループへの導入実績がある。主な製品としては、ドッキングシミュレーションに基づくハイスループットスクリーニングを実行する「eHiTS」、リガンド分子の類似性検索ツール「LASSO」、たん白質とリガンドの活性を評価するスコア計算ツール「eHiTS Score」、ユーザー独自のスコア関数を作成するためのニューラルネットワーク学習ツール「eHiTS Tune」などがある。

 一方、英キーモジュール(ピーター・ジョンソン社長)の製品は、スキャナーで取り込んだ化学構造式や反応式のイメージ情報をデジタルデータに変換するOCRソフト「CLiDE」。手作業で構造式を描く手間を削減でき、データベース入力支援や化合物解析システムとのインターフェース機能も備えている。分子を一つずつ認識させる「スタンダード」、文書中の複数の構造式をまとめて認識できる「プロフェッショナル」、大量処理を連続して行う「バッチ」の3種類のパッケージが用意されている。

 最後の英デジタルケミストリー(ジュリアン・ヘイワード社長)はケムインフォマティクスの専門ベンダーで、旧BCIから引き継いだフラグメントベースの化合物フィンガープリント、階層型および非階層型の各種クラスタリングソフトなどを利用できる「BCIツールキット」、オラクルデータベースでマーカッシュ(マルクーシュ)構造を取り扱えるようにする「Torus」などの製品を持つ。なお、生物学的等価体データベース「BIOSTER」については、すでに国内のパトコアが販売権を取得しているため、ヒューリンクスからの取り扱いはされない。

 ヒューリンクスでは、製薬業向けのCCSとして、英クレセットの「Cresset Field シリーズ」、米ハイパーキューブの「HyperProtein」、米テキストコの「Gene Construction Kit」、英バイオソフトの「QuantiScan」「CalcuSyn」、米パーキンエルマーの「Chem & Bio シリーズ」などを取り揃えている。今回、さらに製品ラインアップを広げ、ユーザーの多様な要望に応えていくことにしている。


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