アクセルリスが京都大学化学研究所にサイトライセンス
分子シミュレーションを全学レベルで活用、最新スパコンで稼働
2012.01.06−アクセルリスは5日、京都大学化学研究所(ICR)に分子シミュレーションパッケージの大規模なサイトライセンスを納入したと発表した。今月から稼働する最新のスーパーコンピューターシステム上にインストールされ、学内の研究者がライセンス数無制限で活用していく。「PipelinePilot」のアカデミック版も提供されているので、京大の研究者が作成したコンポーネントが内外の研究機関に広がることも期待されている。アクセルリスの代理店であるダイキン工業と、ハードメーカーの日本SGIがシステムインテグレーションと導入サポートを担当する。
今回のサイトライセンスの対象になっているのは、生命科学系の統合分子モデリングシステム「Discovery Studio」(ディスカバリースタジオ)と材料科学系の「Materials Studio」(マテリアルスタジオ)の2製品。京都大学化学研究所はどちらのソフトのライセンスもすでに保有していたが、全学レベルで活用するため、スーパーコンピューターの更新を機にサイトライセンスに切り替えることにした。
京都大学の研究者は、吉田キャンパス、桂キャンパス、宇治キャンパスから新たに稼働する新鋭機の「SGI UV 1000」(1,024コア/21.8テラFLOPS)に接続し、アクセルリス製品を大規模に利用することが可能。導入に当たっては、シミュレーション機能が優れているだけでなく、計算科学の専門家でなくても容易に使いこなすことのできることが高く評価された。
多くの研究者が自分で分子シミュレーションを実行し、それぞれの研究の考察を深めることで、研究の質的向上が図られることが期待されるということだ。それと同時に、多くの研究者が解析の高度化・自動化を目的に「PipelinePilot」を活用するとみられ、その過程で自作したコンポーネントが公開され、世界中の研究者がそれを利用するという期待も広がる。
<関連リンク>:
京都大学化学研究所スーパーコンピューターセンター
http://www.scl.kyoto-u.ac.jp/
アクセルリス(日本法人)
http://accelrys.co.jp/
ダイキン工業(CCSサイト)
http://www.comtec.daikin.co.jp/SC/
日本SGI(UV1000受注時のプレスリリース)
http://www.sgi.co.jp/company_info/press_releases/archives/20111102.html