エルゼビア・ジャパンが「Reaxys」の上級者向けオプション
データ解析・可視化ツールなど提供、複数の合成ルートを自動生成
2012.02.25−エルゼビア・ジャパンは、世界最大級の反応・化合物データベースサービス「Reaxys」を強化し、高度な機能を実装したオプションサービス「Reaxys Xcelerate」(リアクシス・エクセラレート)を提供開始した。検索結果の解析・可視化ツール、合成ルート候補の自動生成など、より高度な使い方をしたい上級者に向けて開発された。1月末から正式に利用可能となっている。
Reaxysは、有機化学から無機化学、有機金属、錯体化学まで幅広くカバーした豊富なデータベースが特徴で、合成研究のベンチサイドツールとして評価が高い。もともと、Beilstein(バイルシュタイン)やGmelin(グメリン)といったコンテンツを統合してスタートしたが、2009年にリリースして以降の3年間で国内でも数十社のユーザーを獲得しているという。大手製薬だけでなく、最近では受託合成企業にも利用者が広がっている。
Reaxys本体も順次機能強化されてきているが、今回の「Reaxys Xcelerate」はとくに上級者向けにオプションで提供するサービス。素早いデータの洞察を可能にする“Analysis View”、よりスムーズなコミュニケーション・情報交換を行うための“Report”、合成ルートを瞬時に生成する“Autoplan”といった機能が提供される。
“Analysis View”ではインテリジェントなデータ可視化機能を搭載しており、回答集合に対して異なるパラメーターの2つのヒストグラムを用いたクロス解析が可能。全体像を確認しながら、注目すべき情報を絞り込むことができる。また“Report”を使って、検索によって得られた知見を他のチームメンバーに即座に伝達することができる。書誌情報や物性・化成、反応など必要な項目を選択するだけで、簡単に注釈付きのレポートが完成する。
一方、Reaxysでは逆合成的に前駆体を検索して合成ルートを次々に図示していく“合成計画”が最大の特徴の1つとして評価されているが、「Reaxys Xcelerate」の“Autoplan”はこれを自動化し、合成ルート候補を瞬時に生成する機能を持っている。合成ステップを何段階まで検索するかは任意に指定できるが、購入可能な物質までさかのぼるという実際的な設定も可能。利用者は合成ルートを一覧しながら全体の合成計画を検討できるので、作業性が格段に向上すると期待される。
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<関連リンク>:
エルゼビア・ジャパン(Reaxys 製品紹介ページ)
http://japan.elsevier.com/products/reaxys/index.html
エルゼビア(Reaxys Xcelerate 紹介ページ)
https://www.reaxys.com/info/Xcelerate
CCSnews(Reaxys 発売時のニュース)
http://homepage2.nifty.com/ccsnews2/2009/1q/2009_1Qelsevierreaxys.htm