米CASが「SciFinder」の収録データを拡充
反応情報の実験項を数千件追加、テイラー&フランシスと提携
2012.02.24−化学情報協会(JAICI)は、米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)が提供しているオンライン検索サービス「SciFinder」の収録データが拡充され、実験項の情報が大幅に強化されたと発表した。学術出版大手である英テイラー&フランシス社の主要雑誌から収録する契約を結んだもの。文献の原文(全文)を調査することなく実験の情報が得られるため、研究効率が大幅に向上すると期待される。
SciFinderは、物質・反応・文献・特許を網羅したCASデータベースを利用するためのサービスで、フォーチュン500などの有力企業をはじめ、約2,000の大学・研究機関が利用しているとされる。
実験項は、化学反応情報を検索する際に、反応物・生成物・反応条件などに加えて新たに追加されたデータ項目で、2010年末から利用可能となった。とくに、実験の再現性などを確かめたい場合に、ソースの文献や特許の全文を調べ、該当する項目を探し出す手間がかかっていたことを解消するのが目的であり、利用者からのニーズも非常に高いという。
現在、米国化学会(ACS)発行の全雑誌、および米国特許商標庁、欧州特許庁、世界知的所有権機関の特許情報(2000年以降の情報)から実験項を収録しているが、今回さらにテイラー&フランシスの主要雑誌である「Synthetic Communications」「Journal of Coordination Chemistry」「Phosphorus, Sulfur, and Silicon and the Related Elements」から実験項の情報を追加した。新たに数千件のデータが登録された模様。
CASでは、今年に入ってからドイツと日本の特許(2008年以降の情報)からも実験項の登録を開始しており、今後は上海有機化学研究所が発行する2誌「Chinese Journal of Organic Chemistry」「Acta Chimica Sinica」からの収録も予定しているという。
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<関連リンク>:
化学情報協会(SciFinderの紹介ページ)
http://www.jaici.or.jp/sci/SCIFINDER/index.html
CAS(ホームページ)
http://www.cas.org/
テイラー&フランシス(ホームページ)
http://www.taylorandfrancis.com/