「iSpartan」にはタッチ操作で構造式を記述する機能が組み込まれており、端末側だけで2次元構造式を3次元モデルに変換し、配座解析の計算を行うことが可能。発生させた配座をエネルギーマップと関連づけて確認することができる。
ウェイブファンクションがiPad／iPhone向け分子モデリングソフト
端末側で構造作成・配座解析、クラウドサービスとも連携
2012.06.07−米ウェイブファンクションは、アップルのiPad／iPhone上で利用できる分子モデリングソフト「iSpartan」（仮称）を開発した。具体的なビジネスモデルはまだ固まっておらず、発売時期や価格も未定だが、計算化学ユーザーの裾野を広げる目的にかなうものと期待される。
「iSpartan」にはタッチ操作で構造式を記述する機能が組み込まれており、端末側だけで2次元構造式を3次元モデルに変換し、配座解析の計算を行うことが可能。発生させた配座をエネルギーマップと関連づけて確認することができる。
また、Spartan'10で利用できる低分子データベース「SMD」とスペクトルデータベース「SSPD」に対して、「iSpartan」からクラウド経由でアクセスすることが可能。SMDは約15万件の分子について、最大10通りの手法であらかじめ構造最適化を行った計算結果が収録されている。SSPDは約7万5,000分子について、IRとNMRスペクトルの計算値が収録されているもの。
「iSpartan」でスケッチした構造をベースに、これらのデータベースを検索し、その情報を端末上で可視化して閲覧することが可能。データベースにない分子については、クラウド経由で計算ジョブをサーバーに自動投入させるといった設定を行うこともできる。
タブレットPCやスマートフォンというデバイスの特性を考えると、データベースブラウザーとしての利用がメインになる可能性が高そうだが、同社がどのようなサービスを組み合わせて正式に製品化するか、興味深いところだ。
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