エルゼビア・ジャパンが創薬化学向け新データベースサービス

信頼性の高い生物学・薬理作用データ収録、他サービスとのリンクも

 2013.03.07−エルゼビア・ジャパンは、医薬品開発を効率化する創薬化学者向けの新しいデータベース(DB)サービス「Reaxys Medicinal Chemistry」(Reaxysメディシナルケミストリー)を提供開始した。1月に買収した仏オウレウスサイエンスが所有していたDBを加えて240万化合物、900万件の生物学データ、5,100のターゲット情報を収録している。創薬研究において、薬効だけでなく、ターゲットに対する選択性やADME(吸収・分布・代謝・排出)特性、安全性などを考慮することにより、パイプラインから脱落する候補化合物を減らすことができるという。使用料金は年間定額のコーポレートライセンスで、ユーザーの研究規模に応じた見積もりとなる。

 Reaxysメディシナルケミストリーは、“Reaxys”の名前を冠しているが、世界最大級の化学反応・化合物DBとして知られる同社の「Reaxys」とは別のサービス。膨大に蓄積されている査読済みの学術論文・特許・規制情報を情報源とし、分配係数logPや水素結合受容体/供与体などの物理化学的データ、50%阻害濃度、50%効果濃度、血液−血漿濃度比、薬物投与による受容体の活性化に関する情報などの生物学的・薬理作用データといった創薬化学に必要な情報を集積している。

 実測値に対する100以上のデータフィールドを持ち、化合物主体に、また薬理学の観点から自在に検索を行うことが可能。例えば、「1マイクロモル以下の親和性でヒトの肝臓X受容体β(LXR-β)に結合する化合物にはどんなものがあるか」、「特定の物質に結合するたん白質とその親和性にはどのようなものがあるか」、「肺がん細胞に対して増殖抑制作用を持つ化合物にはどんなものがあるか」といった質問の答えを得ることができる。各種の単位もノーマライズされているので、漏れのない検索が行える。

 操作系も洗練されており、左側で検索条件を設定し、右側に回答リストが表示されるというスタイル。左から右に流れるという近代的なユーザーインターフェースが採用されており、初めてのユーザーでも使いやすい。(写真参照)

 エルゼビアの他のDBサービスとのリンクも付されているので、「Reaxys」に飛んで合成方法を検討したり、「EMBASE」で文献を参照したり、「PharmaPendium」で安全性情報を確認したりするなど、サービスを組み合わせることによりさらに強力な研究環境を整備できる。

 なお、コンテンツは当面は四半期ごとにアップデートする予定で、今年末には登録数は270万化合物に増える。データ解析機能なども付加される。

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<関連リンク>:

エルゼビア・ジャパン(日本語トップページ)
http://japan.elsevier.com/

エルゼビア(Reaxysメディシナルケミストリー 製品情報ページ)
https://www.reaxys.com/info/medicinal-chemistry


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