SAPジャパンが「SAP HANA」をビッグデータ統合基盤として強化

異種混在ソースにスマートアクセス、地理空間情報機能も統合

 2013.06.29−SAPジャパンは27日、インメモリーで大量のデータを高速に検索する「SAP HANA」を機能強化した最新サービスパック「SAP HANA SP6」を提供開始したと発表した。ビッグデータをリアルタイムで処理するための統合基盤へと発展させることを狙いとしたもので、とくに新たに追加されたスマートデータアクセス機能により、ユーザーはHadoopなどの異種混在ソース全体をカバーして動的にデータを引き出すことが可能。ビッグデータ活用型アプリケーションの開発を強力に後押しするという。

 SAP HANAは、ハードウエアと一体化してアプライアンスとして提供されている製品で、2010年11月に登場して以来、およそ半年ごとにサービスパックというかたちで機能強化されてきた。これまでは主に新世代型のデータウェアハウス(DWH)システムとして普及しており、大量データをインメモリーで扱う特徴を生かして、予測分析の機能を統合。直近では、ERP(エンタープライズリソースプランニング)との連携も可能になり、経営データをインメモリーで解析するユーザー事例もあらわれてきている。

 さて、今回のSP6だが、同社ではこれまでがHANAの応用範囲を広げてきた段階、これからはHANAをビッグデータのリアルタイム処理統合基盤として発展させる段階と位置づけている。とくに、新しいスマートデータアクセス機能は、HadoopやSAP Sybase Adaptive Server(SAP Sybase ASE)、SAP Sybase IQ、その他のサードパーティー製DWH(まずはTeradataをサポート)など、異種のデータが混在するリレーショナルおよび非リレーショナル型のデータベースに対して動的なクエリーを実現する。

 これまでは、処理するデータはすべてHANAのインメモリー上に存在する必要があったが、この機能を使えば、実際のデータは複数の外部ソースに存在したまま、HANAの仮想テーブル上にオンザフライで必要なデータを転送し、高速に処理することができる。これにより、企業が自社のネットワーク全体にわたって高速・安全にクエリーを実施し、同時に不要なデータ転送やデータの冗長性を最小限に抑えられるという意味で、ビッグデータを活用するためのプラットホームとして大幅な機能強化がなされたとしている。

 また、新しい地理空間情報エンジンを搭載した。このため、地理空間データとビジネスデータを組み合わせて利用するアプリケーションや、分析ソリューションのためのリアルタイムシステム基盤としても有効。分析に位置の視点を追加できるほか、予測解析・非構造テキスト分析・地理空間情報分析を単一プラットホーム上で実行することが可能となっている。

 そのほか、開発者向けの機能強化や、データセンターにおける運用・管理面の機能も充実させており、HANA事業のさらなる拡大を目指していく。

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<関連リンク>:

SAPジャパン(トップページ)
http://www.sap.com/japan/

SAPジャパン(インメモリーコンピューティング紹介ページ)
http://www.sap.com/japan/solutions/technology/in-memory-computing-platform/index.epx

SAPジャパン(SAP HANA ソリューション紹介ページ)
http://www.sap.com/japan/solutions/technology/in-memory-computing-platform/hana/overview/index.epx


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