三井情報が脂質同定ソフトを海外市場で販売

米サーモフィッシャーと販売提携、LC/MS/MSとセットで普及へ

 2013.07.12−三井情報(MKI)は10日、メタボローム解析に用いる脂質同定ソフト「Lipid Search」を、米サーモフィッシャーサイエンティフィックグループを通して海外でも販売すると発表した。世界でもほとんど類のないリピドミクス(脂質の一斉解析)に役立つソフトとして注目され、昨年から米国の質量分析学会に出展するなど市場調査を進めてきていた。基本的に質量分析計(MS)と組み合わせて使われるため、同機器の大手メーカーであるサーモフィッシャーとの販売提携は強力なパートナーシップになると期待される。

 「Lipid Search」は、東京大学大学院の田口良特任教授(現中部大学生命健康科学部教授)と共同開発したシステムで、国内では2010年から販売されてきている。代謝物を対象とするメタボローム解析に関連して、ハイスループットなリピドミクス研究を実現することが可能。

 具体的には、生体試料を測定した質量分析データを読み込み、独自のインシリコデータベースに定義された100万種以上の脂質分子種の理論データと照合して、試料に含まれる脂質を一斉に同定する。データ解析プロセスの自動化と一斉同定の機能により、これまで報告されていなかった未知脂質の発見にもつながっているという。

 今回の販売提携では、サーモフィッシャーの液体クロマトグラフィー質量分析計(LC/MS/MS)である「Q Exactive」などとの組み合わせで普及・浸透を図っていくとしている。とくに、MKIではこれを機にサーモフィッシャーとの関係を強化し、バイオインフォマティクス事業の海外展開の拡大につなげたい考えだ。

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<関連リンク>:

三井情報(バイオインフォマティクス事業のトップページ)
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三井情報(バイオインフォマティクス事業 製品情報ページ)
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