アクセルリスがアイルランドのQUMASを買収

規制対応文書と品質プロセスを管理、一元管理型コンプライアンス

 2013.12.27−アクセルリスは、ライフサイエンス業界向けにコンプライアンス対応の専門的な文書管理とプロセス管理ソリューションを提供しているアイルランドのQUMAS社を買収したと発表した。買収額は約5,000万ドル。QUMAS製品は、「Accelrys Enterprise Platform」を共有するELN(電子実験ノート)やLIMS(研究所統合情報管理システム)などと連携し、アクセルリスが推進する科学技術革新ライフサイクル管理(SILM)ソリューションを構成する重要な要素の1つとなる。国内では同社の代理店であるCTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)が2011年からQUMAS製品を取り扱っているため、国内の事業体制やユーザー対応に変化はないとみられる。

 近年、製薬企業などを取り巻く環境が急速に変化しており、業務のより一層の効率化やコンプライアンスの状態を監査で証明することが求められている。その結果、従来は紙ベース/マニュアルベースで管理されていた情報を電子的に管理しようという動きが急速に広がりつつある。QUMAS社はこうした分野で20年にわたる経験を積んでおり、「DocCompliance」や「ProcessCompliance」といった製品で業界リーダーのポジションを占めている。売上規模は2011年で1,520万ドル、2012年で1,930万ドルという。

 「DocCompliance」はすべてのGMP/GCP要求事項に対応し、医薬品開発工程でのさまざまな品質文書(製造法、SOP、申請文書など)を定義済みの業務フローとともに提供している。一方の「ProcessCompliance」は、適切な品質マネジメントに最適なワークフロー管理パッケージであり、品質管理を効率化するとともに経営陣を含むマネジメントに対するレビュー機能を備えている。とくに、CAPA(是正措置および予防措置)、監査、変更管理、逸脱、苦情などの重要なプロセスに対応しており、一般的なコンプライアンス上の課題に対処するための事前に定義されたテスト済みの一連のソフトウエアが提供される。

 システム全体はSaaS対応となっているため、プライベートクラウドとオンプレミスのどちらの環境でも利用でき、数千ユーザーや数百万文書といった大規模運用へのスケールアップも容易。サードパーティーやパートナーコミュニティといった社外ネットワークとの連携もサポートしている。

 アクセルリスの既存のソリューションにこれらのQUMAS製品が加わることにより、製品ライフサイクル全体で一貫したコンプライアンスと品質を維持しながら、新製品開発をより包括的に管理できるソリューションが実現する。具体的には、規制違反リスクの緩和、品質管理コストの低減、コンプライアンス管理の効率化、新製品の市場投入に至るプロセスの運用効率の向上といったニーズに対し、一段と高いレベルで応えることができるという。

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<関連リンク>:

アクセルリス(日本法人トップページ)
http://accelrys.co.jp/

CTCラボラトリーシステムズ(QUMAS製品情報ページ)
http://www.ctcls.co.jp/products/list/qumas.html


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