日立ソリューションズらがPHR基盤の実現に向けた実証実験

個人の健診情報を健康維持増進に活用、各機関の連携体制・ビジネスモデルなど探る

 2014.05.30−日立ソリューションズと神奈川県予防医学協会、ファンケルヘルスサイエンスは、かねて準備を進めていた「健康サービスの活用に有用なPHR基盤の実現に向けた実証実験」の実運用を30日から開始すると発表した。京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区にて実施するもので、横浜市が推進する「個別化・予防医療の実現」に向けた取り組みの一環として行われる。実施期間は来年3月末までで、実証実験で得られた成果を、個人が健康情報を蓄積し活用する新しい健康サービスのビジネスフレームワークづくりに生かしていく。

 健康診断や人間ドックで得られた健診情報は、疾患の予防や早期発見に役立つだけでなく、個人の健康維持推進のためにさらに活用できる余地が大きいとされている。そのためには、個人の健康情報をPHR(パーソナルヘルスレコード、個人健康記録)というかたちで集約し、それを収集・蓄積し、適切に管理する情報システム基盤が重要になる。

 今回の実証実験では、神奈川県予防医学協会で定期健康診断を受診した人を対象に、本人の同意に基づいて健診機関が匿名化した健康診断結果をPHR基盤に保管する。そして、個人がパソコンやスマートデバイスを用いてその情報を閲覧できるようにする。さらに、健康診断結果を活用したサービスとして、外来の申し込み(メタボリックシンドローム、禁煙など)、関連したサプリメントの紹介などのコンテンツ提供を試みていく。

 具体的な検証事項としては、個人が健診情報を継続的に蓄積し、自身で健康維持増進に活用するために、PHR基盤に必要な要件、個人との同意の取得方法を含めた各機関との連携体制、運用方法を検証する。また、個人が自分で健康サービスを受ける事業者を選んだり、サプリメントの提供販売などのサービスを受けたりするに当たり、個人の同意に基づいて安全に情報を活用するためのセキュリティや各機関との連携方法、サービスモデルについて検討するとしている。

 実施体制としては、全体の企画・運営支援・検討、PHR基盤の構築と管理体制の検証を日立ソリューションズ、健診機関の連携体制と運用方法の検証を日立ソリューションズと神奈川県予防医学協会、健康サービスの提供モデルの検証を日立ソリューションズとファンケルヘルスサイエンスが担当する。

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<関連リンク>:

日立ソリューションズ(トップページ)
http://www.hitachi-solutions.co.jp/

神奈川県予防医学協会(トップページ)
http://www.yobouigaku-kanagawa.or.jp/index.html

ファンケルヘルスサイエンス(トップページ)
http://www.fancl.jp/about/fancl/health.html


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