CTCLSがPIC/S対応でCMC部門向けに電子実験ノート拡販
試験文書・試験記録の査察対応、ラボ機器との連携で業務効率化
2014.12.27−CTCライフサイエンス(CTCLS)は、製薬企業の分析部門向けに電子実験ノートブック(ELN)の拡販を図る。今年7月に日本が、製造・品質管理基準(GMP)の国際基準である「PIC/S」(医薬品査定協定・医薬品査察協同スキーム)に加盟したことに対応するためのソリューション。PIC/Sでは、最終の製造部門だけでなく、上流のCMC(化学・製造・品質管理)部門の分析・試験も査察の対象になるとみられており、試験記録の完全性・真正性を保証するうえでELNの機能が役立つとして注目されている。ダッソー・システムズ・バイオビア(BIOVIA)の製品群を基盤に、ELNや文書管理などのアプリケーションを組み合わせて提供していく。
同社は、BIOVIA(旧アクセルリス)のビジネスパートナーとして「BIOVIA Electronic Lab Notebook」(旧Accerlys Electronic Lab Notebook)を販売。のべで合成部門に14社、生物部門に5社、プロセス部門に1社、製剤部門に1社、分析部門に2社などの導入実績がある。とくに、既存ユーザーの今後の計画において、分析分野への展開を予定する例が増えてきているという。
PIC/Sでは、CMC分野の試験現場の品質管理を強化する必要があるが、現時点では試験文書や記録が紙で管理されていることがほとんどで、記録の一部だけが保存されて一部は散逸してしまっていたり、散逸はしていないものの査察官の要求に対してクイックに開示できない状態になっていたりすることが危惧されている。また、試験の手順や管理の手順がSOPに従って適正に行われていることを証明できないケースもありうるという。紙ベースのままでこうした課題に対処することは困難であり、現場や管理者の負担が過大になることから、ELNで試験文書や記録を電子化する解決策が注目されている。
「BIOVIA ELN」は、自由度の高いテンプレートを備えており、フォームやテーブル、フリーテキスト、ファイル管理などのセクションを自由に構成して、試験記録を電子的にドキュメント化することが可能。一連の試験をひも付けることにより、データのトレーサビリティが確保できる。
また、クロマトグラフィーや電子天秤、バーコードプリンターなど、分析部門で使用される機器とのインターフェースを利用して、分析・測定データをオンラインでELNに取り込むことも可能で、大きな効率化にもつながる。外部機器との具体的な連携としては、ウォーターズのクロマトデータソフト「Empower」とのダイレクト連携が実現されているほか、島津製作所の分析データシステム「LabSolutions」との連携機能も開発中。また、測定器側に画像やチャートをPDF化する機能があれば、印刷イメージとして直接ELNに送信することもできる。
同社では、部門間・研究者間の情報の共有化、実験データの検索・再利用、蓄積した実験情報を解析して新たな発見につなげるなど、ELNが持つ多くのメリットも強調して、販売につなげていく考えだ。
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<関連リンク>:
CTCライフサイエンス(トップページ)
http://www.ctcls.co.jp/
CTCライフサイエンス(BIOVIA ELN 製品情報ページ)
http://www.ctcls.co.jp/products/accelrys/accelrys_electronic_lab_notebook.html
BIOVIA(ELNソリューションのトップページ)
http://accelrys.com/products/process-management-and-compliance/index.html